ハーマンインターナショナルは、AKGブランドから新「Nシリーズ」を発表。イヤホン「N20」「N20U」、ノイズキャンセリングヘッドホン「N60NC」を8月4日に発売すると発表しました。

■N20 ¥OPEN(予想実売価格14,880円前後)
カラー:ブラック/ゴールド
■N20U ¥OPEN(予想実売価格15,880円前後)
カラー:ブラック/シルバー
■N60NC ¥OPEN(予想実売価格29,880円前後)

Nシリーズの「N」はドイツ語の「Neue(英語でnew)」に由来しているとのこと。「新世代」「革新」といった意味もこめられているそうです。洗練された素材とデザイン、AKGの音響技術を融合させた「全く新しいプレミアムシリーズ」とアピール。高音質と高品質、優れたデザイン性を兼ね備えるという方向性。

今後AKGブランド製品は、プロ/プロアマ向けモデル中心の「Kシリーズ」、今回登場した「Nシリーズ」、そして「Yシリーズ」の3シリーズで展開していくとのことです。

Nシリーズはマニア向けというよりは、一般ユーザーで、AKGは知っていて、使ってみたいという人で、それなりの予算もある、という人向けという感じでしょうか。マニア向けでなくとも安いとは言いがたいですから。

「N60NC」はノイズキャンセリング機能を備えた密閉ダイナミック型ヘッドホン。直径40mmドライバーをアルミ製ハウジングに搭載。再生周波数帯域は10Hz~22kHz、インピーダンスは32Ω、感度は117dB。

AKGには従来K490NCとK495NCというノイズキャンセル対応ヘッドホンがラインナップ、N60NCはその両モデルをリプレイスする機種という位置づけ。

ノイズキャンセルは、騒音集音用マイクをハウジング本体外側に配置するフィードフォワード方式と、鼓膜に近いドライバーユニット側に配置するフィードバック方式の両方式を採用したハイブリッドで行う。独自のキャンセル信号回路と合わせて「AKG史上最も優れた騒音低減率を実現」したとアピールしています。

バッテリーを搭載し、約30時間の連続使用が可能。NC機能をOFFにしても通常のヘッドフォンとして使うこともできます。

独自の3D-Axis2機構を備え、小さく折りたたんで収納できる。専用キャリングポーチも同梱。アーム部分にレザー素材を使うなど、デザイン面で高級感を演出しているのも「Nシリーズ」らしさということでしょう。

入力プラグは4極で、リモコンをケーブル途中に用意。スライドスイッチを備え、Androidスマホ向けと、iOS機器向けに、機能の切り替えが可能。ケーブルは1.2m。ヘッドフォン側は2.5mmのミニミニ端子を採用。ケーブルを省いた重量は150g。 小ささと軽さと高機能、高品位を実現している印象。ただ、いわゆるハイレゾ対応ではありません。それなりの周波数特性です。

「AKG史上最も優れた騒音低減率を実現」というのをやたらと強く打ち出してアピールしているのが、各ニュースサイトの記事からうかがえます。おそらく、ライバルたるBOSEあたりを意識しているのでしょうが…。

それでありながら、AVウォッチでのレビュー記事で、「驚くのは、NC機能のON/OFFでほとんど音が変わらない事だ。」「キャラクターやバランスの変化はまったくと言っていいほど無く、通常のヘッドフォンとしても安心して使えそう」「モニターライクなサウンドで、良い意味で昔ながらのAKGらしさを感じさせる」と、あまりNCの性能そのものには触れず、基本的な音質の良さばかり強調しています。NC機能については「静寂さが際立つ」とくらいしか書いていません…。ネットでもそこを突っ込まれています。

一方、ファイルウェブでは、「その効果は、室内の空調のファン音は十分にキャンセルできるのはもちろん、地下鉄車内の走行音も低音をほぼ消し去り静寂を作り出すほど。」とあるので、それなりのNC効果はあるようです。

「ただ、ノイズキャンセルをONにしても音質への影響がないことも、サウンド重視のヘッドホン好きとして評価したいポイント」とあるので、どうも、「音質重視でNC効果はそれなりのNCヘッドホン?」的な印象に見えます。

いずれにしてもアウトドア用途には良さそうです。NCヘッドホンとしてのCPは気になるところです。
ヘッドホン:AKG: