ナイコムは、同社が取り扱う米GRADOのオープンエアー型ヘッドホン“Grado Heritageシリーズ”「GH1」を9月1日に発売すると発表しました。価格は84,500円(税抜)。

GRADO社が存在するニューヨーク・ブルックリン地区のサンセットパークで育ったメープル材を、本体のエアチャンバー部に採用したというのが特徴で、売り物のヘッドホン。木材の産出量が限定されるため、限定販売。専門ショップのフジヤエービックとe☆イヤホン限定22台という少なさです。

口径40mmのダイナミック型ユニットを搭載。ボイスコイルにはUHPLC(Ultra high purity long crystal)無酸素銅線を採用。総質量は約280g。 周波数特性は13Hz~29kHzで、チャンネルバランスは0.05dB、インピーダンスは32Ω。感度は99.8dB。

ヘッドホンにメープル材を使用するのは、同社にとって初めての試みとのこと。

GRADOのヘッドホンは、つい最近、国内価格が値上げされたばかり。本機も新発売ですが、はじめから値上げが反映されたような価格。どうやら本国では650ドルくらいのようです。

面白い試みです。会社がある地域の近くのメープル材を使うというのは。

もちろん、単なる思い付きや記念品、という意味ではなく、音質的メリットが見出せたからに他ならないでしょう。

製造数が木材の産出量に依存するので数量限定となってしまうので、ヒットモデルにはなりえないのが残念です。一般的にはこのような価格のヘッドホンがたくさん売れるとは以前は思っていませんでしたが、最近のヘッドホンブームを見るに、10万円前後でもかなり売れることもあるからです。

ただ、グラドのファンならずとも、これが限定というのは残念で、たとえば、マホガニーで、通常モデルを作って見る、ということはできそうです。商売のことを考えているののなら、そういう展開もあるかとは思いますが。さてどうでしょう。もしそうだとしても、当然、音も変わりますし、チューーニングも変えないといけないのでしょうけど。

とはいえ、ベースモデルになっているのはグラドファンならRS2であるとわかるので、どれだけ新規開発的な部分があるのかも難しいところです。

というより、RS2の限定商法、と悪く見る向きもあり、こんなことをしているよりも、装着感やフィット感の改善、リケーブ仕様品を出すなどの根本的なモデルチェンジ機を期待している人もいます。それだけ、期待されているブランドだということでしょう。

根本的に変えると、音の面でも難しいのかもしれませんが、ぜひ、既存品をちょっといじっただけの限定商法?などに走らず、新製品の開発もお願いしたいですね。