フューレンコーディネートは、NuPrimeのDAC、パワーアンプ、ヘッドホンアンプ/プリアンプ3機種を2月24日より発売すると発表しました。

ラインナップと価格は以下のとおりです。3機種ともコンパクトな筐体と共通のデザインコンセプトを持っています。
・「DAC-9」USB-DAC/プリアンプ ¥110,000(税抜)
・「HPA-9」ヘッドホンアンプ/プリアンプ ¥95,000(税抜)
・「STA-9」ステレオ・パワーアンプ ¥95,000(税抜)

ここではUSB-DAC/プリアンプのDAC-9を詳しく紹介。

「DAC-9」は、11.2MHz DSDや384kHz/32bit PCMの再生に対応したUSB入力を備えたプリアンプ機能つきD/Aコンバーター。リモコンも付属。

DSDはASIO2.1とDoPをサポート。デジタル入力はUSB-Bに加えて、192kHzまでの同軸、光、AES/EBUを搭載。

同軸および光デジタル入力は、2.8MHz DSDのDoP入力にも対応し、同社のOmniaポータブルデバイスをサポートするとのことで、この機能は普通のDAコンバーターにはなく、注目の特徴です。

D/Aコンバーターには、旭化成エレクトロニクスの32bit DAC「AK4490EQ」を採用。低ジッターと低歪みを実現したというNuPrime SRC IC チップも搭載、入力信号はメガヘルツ規模までEPGA処理でアップサンプリングして処理を行うとしています。

プリアンプ機能も搭載。アナログ入力(RCA)も搭載。出力はXLRバランス、RCAアンバランスを1系統ずつ装備。

プリアンプ部は、同社プリアンプのハイエンドモデルの技術を継承したというもので価格を超えた品位を謳っています。ボリュームには、どの音量でも1箇所の抵抗のみを通過する、EPGA採用・高精度スイッチ抵抗ラダーネットワークを採用。99ステップ(0.5段刻み)による音量調整が可能となっています。

デジタル技術を得意とし、さらにコンパクトな筐体の機種にも実績のあるニューフォースを母体とするNuPrimeの機種なだけに、現在の時流をとらえた実につぼを押さえた機種に見えます。お得意のアップサンプリング技術も搭載しています。

プリアンプ機能があるといってもデジタル専用の機種も多いなか、アナログ入力も装備しているのは、アナログプリアンプとしての性能にも自信があるのでしょう。NuPrimeはデジタル技術だけではないという主張も感じられます。アイソレーションフィート(特許出願中)による振動吸収効果も謳っていますが、これもアナログ的な技術です。

DACとしてはAES/EBU入力を装備しているのは、価格や筐体の大きさを考えると結構頑張ったと思いますが、実際にどれくらいニーズがあるものなのでしょうか。むしろ、HDMI入力を装備しているほうが汎用性は高まったのではないでしょうか。

また、海外メーカー品にしては安価なのもニューフォース同様の特徴です(NuPrimeは必ずしもそういう方向性ではないと当初は謳っていたような覚えはありますが、今回の機種はコストパフォーマンスの高い機種と言えるでしょう。)。

これでヘッドホン端子もアンバランスだけでもいいのでつけてくれれば、さらにコストパフォーマンスは高まったでしょうが、そこは「HPA-9」ヘッドホンアンプを別に買ってください、ということでしょう。

PCオーディオでのデスクトップ使用では、本機とアクティブスピーカーの直結が合理的でコンパクト、コスト的にも優れたシステムが組めそうです。

「STA-9」ステレオ・パワーアンプも用意されているので、通常のパッシブスピーカーと使う場合も、デザインと音の揃ったシステムを容易に組む事ができます。

外形寸法は235W×55H×281Dmm、質量は2.3kg。