Accuphase_C-2820

C-2810の後継機として2011年に発売された高級プリアンプ。価格は120万円(税抜き)。

アキュフェーズ独自の高精度ボリューム・コントロール方式「AAVA(Accuphase Analog Vari-gain Amplifier)」技術を投入するのは同様。当時の最上位プリアンプ「C-3800」で開発された新回路技術を投入してさらなる高音質化を図ったものです。

入力部には合計18個のV-I変換アンプを搭載。入力部はバッファーアンプ4個構成となっていることが改良点です。

AAVAは、増幅部と音量調整器を一体化させ、可変抵抗体を使用しないため、機械的接点が存在しないのが特徴。電圧をいったん16種類に重み付けされた電流に変換し、それぞれ16個の電流スイッチによって組みあわせ、その電流を合成したものを電圧に戻すことで実行されます。
高SN比や超低歪率、音量調整による周波数特性の変化や音質劣化が少ない、左右の音量誤差が生じない、左右のクロストークが極小になるというメリットを持ちます。

電源部は独立構成で、トロイダルトランスを2個搭載。またフィルター用のアルミ電解コンデンサーにも、10,000μFの大容量・高品位タイプを4個搭載し、トランスとともに左右モノラルコンストラクションで構成しています。

また、C-2820では専用のヘッドホンアンプ回路も内蔵。ヘッドホンの感度に合わせ、出力レベルをLOW/MID/HIGHの3段階で切り替えるスイッチも備えます。

入力は計10系統で、RCAが8系統、バランスが2系統。出力はRCAラインとバランスがそれぞれ2系統とレコーダーの合計5系統。

フォノには、お得意のオプションボード方式で対応。フォノイコライザーユニット「AD-2820」を増設することでMM/MCに対応します。

2016年に本機の後継機・C-2850が発売され、本機は生産完了になりました。最新の上位機・C-3850の技術を投入。価格は128万円(税抜き)

C-2850は、C-3850同様に、最上位ビット用V-I変換アンプを2パラから4パラへと強化。電圧から電流に変換する部分の変換比を上げました。また、I-V変換アンプに低ノイズのオペアンプを採用するとともに抵抗定数に再検討が加えられ、抵抗も低雑音タイプを採用。これらの結果、SN比がC-2820の111dBから112.5dBと、1.5dB改善。

また発熱箇所を分散させて熱の集中を防ぐことで、信頼性の向上が図られています。フィルターコンデンサーも容量は同じですが、C-2820用に新たに開発されたものが採用されています。ボリュームのリモコン操作時の駆動モーターの振動が筐体に伝わりにくくするという細かい改良も行いました。ボリュームレベル表示はドットマトリックスLEDから大型7セグメントLEDに変更。見た目も多少は変わっています。

フォノイコライザーユニットもAD-2850にモデルチェンジ。C-2820でも使用できます。

価格があまり変わってないように見えますが、アキュフェーズの実売価格が2016年6月から上昇するとのことで、実際の価格差はもっとあります。

C-2820でも十分そうだと思う方は、中古で探してみてはいかがでしょうか。機能的には変わっていないようですし。
●入力:RCA×6、XLR×2、RECORDER×1、EXT PRE×2(RCA、XLR各1) ●出力:RCA×2、XLR×2、RECORDER×1 ●S/N比:110dB(EIAS/N) ●消費電力:34W ●最大外形寸法:477W×156H×412Dmm ●質量:23.7kg