DENON_DCD-1500RE

過去に発売されていたオーディオ製品を紹介。DENON DCD-1500RE デノンのSACDプレーヤー 価格:12万円 発売2013年 中古市場でも注目されるであろう機器です。

デノンの定番SACDプレーヤー・DCD-1650シリーズの影に隠れてきたのがDCD-1500シリーズ。しかし、機能的にはDCD-1650と遜色ないどころか、むしろ多機能という穴場的機種です。

しかし、最後に出てくる音がいまだにアナログ的な物量に左右されてしまうCDプレーヤーの世界のため、ドライブメカ、電源部の規模、コンデンサーの物量、シャーシ構造、の全てにおいてDCD-1650よりコストカットされているDCD-1500は、どうしても音質的には上位と差があるとされています。いわゆる分解能は高くても何かリアルな質感が足りないとか、雰囲気感が乏しいといった違いでしょうか。低音の力感の違いもあるようです。

それでも、その差を感じない、気にしない、という人にならば、本機は性能、機能面では何の問題もなくおすすめできます。

本機は、CD/SACD再生機能に加えて、DAC機能も装備。ヘッドホン端子も装備します。

USB-DACとして、5.6MHz/2.8MHzのDSDネイティブ再生、最大192kHz/24bitのPCM再生に対応。DSDネイティブ再生は、DoP方式とASIOドライバー方式の両方が可能。アシンクロナス伝送にも対応。前面のUSB-A端子はiPhone/iPod入力やUSBメモリー再生に対応する多機能ぶり。さらに、光/同軸デジタル入力を搭載し、それぞれ192kHz/24bitまで対応。

DACには192kHz/32bit対応のTI製「PCM1795」を搭載。本機は1基を搭載。4chDACの出力を左右2chずつ使用する差動出力を採用しています。ビット拡張とデータ補間によるアナログ波形再現技術「Advanced AL32 Processing」も搭載。DACをマスターとしてクロック供給を行いデジタル回路の正確な同期を行う「DACマスター・クロック・デザイン」も採用。

新設計の大型ブロックコンデンサーも搭載するなど、各種の音質パーツも厳選。自社開発のドライブメカは、高さを従来より10mm抑えた低重心設計で制振性を高めました。

非常に多機能ですし、内容的にも豪華に見えますが、さすがに上位ではデジタル・アナログ別トランスのところ、本機では一基と、コストダウンされている点は少なくありません。

アナログ音声出力はアンバランスRCA端子を1系統搭載。光/同軸デジタル出力も各1系統搭載。
外形寸法は434W×134H×331Dmm、質量は8.2kg。

さて、多機能を誇った本機ですが、2016年、秋、後継機にモデルチェンジされ、生産完了となりました。DCD-1600NEです。価格は同じ。

その内容は相当違います。まず、ディスク再生に特化。DAC機能がなくなりました。ヘッドホン端子もありません。

その分のコストをディスク再生機としての高音質化に向けたようです。自社開発ドライブメカは、DCD-SX11で採用したドライブ「Advanced S.V.H. Mechanism」をベースとしながら、このモデルに特化した専用の基板を新たに開発するなどグレードアップ。

「DACマスター・クロック・デザイン」も、クロック回路の構成や、使用パーツのグレードを最新上位機2500NEと同等にグレードアップしました。各種コンデンサーも高品位品に替えています。筐体構造、インシュレーターも見直したようです。

DACをなくして価格据え置きですから、音質面での向上は確かだろうと思います。一方、DACがなくなったことによる不便さを感じる人もいるでしょう。ですから、そういう人にはDCD-1500REをおすすめします。いまのうちなら処分品を安く買えるでしょう。そのうち、中古しか手に入らなくなりそうです。

なお、DCD-1600NEも。CDやSACDに加え、DVD-R/-RWやDVD+R/+RWに記録したDSDの5.6MHzまでのファイルや、最大192kHz/24bitまでのPCMデータも再生可能という裏技?によりしっかりとハイレゾ再生対応機みたいな表示は維持しています。