2016年01月

    フューレンコーディネートは、NuPrimeのDAC、パワーアンプ、ヘッドホンアンプ/プリアンプ3機種を2月24日より発売すると発表しました。

    ラインナップと価格は以下のとおりです。3機種ともコンパクトな筐体と共通のデザインコンセプトを持っています。
    ・「DAC-9」USB-DAC/プリアンプ ¥110,000(税抜)
    ・「HPA-9」ヘッドホンアンプ/プリアンプ ¥95,000(税抜)
    ・「STA-9」ステレオ・パワーアンプ ¥95,000(税抜)

    ここではUSB-DAC/プリアンプのDAC-9を詳しく紹介。

    「DAC-9」は、11.2MHz DSDや384kHz/32bit PCMの再生に対応したUSB入力を備えたプリアンプ機能つきD/Aコンバーター。リモコンも付属。

    DSDはASIO2.1とDoPをサポート。デジタル入力はUSB-Bに加えて、192kHzまでの同軸、光、AES/EBUを搭載。

    同軸および光デジタル入力は、2.8MHz DSDのDoP入力にも対応し、同社のOmniaポータブルデバイスをサポートするとのことで、この機能は普通のDAコンバーターにはなく、注目の特徴です。

    D/Aコンバーターには、旭化成エレクトロニクスの32bit DAC「AK4490EQ」を採用。低ジッターと低歪みを実現したというNuPrime SRC IC チップも搭載、入力信号はメガヘルツ規模までEPGA処理でアップサンプリングして処理を行うとしています。

    プリアンプ機能も搭載。アナログ入力(RCA)も搭載。出力はXLRバランス、RCAアンバランスを1系統ずつ装備。

    プリアンプ部は、同社プリアンプのハイエンドモデルの技術を継承したというもので価格を超えた品位を謳っています。ボリュームには、どの音量でも1箇所の抵抗のみを通過する、EPGA採用・高精度スイッチ抵抗ラダーネットワークを採用。99ステップ(0.5段刻み)による音量調整が可能となっています。

    デジタル技術を得意とし、さらにコンパクトな筐体の機種にも実績のあるニューフォースを母体とするNuPrimeの機種なだけに、現在の時流をとらえた実につぼを押さえた機種に見えます。お得意のアップサンプリング技術も搭載しています。

    プリアンプ機能があるといってもデジタル専用の機種も多いなか、アナログ入力も装備しているのは、アナログプリアンプとしての性能にも自信があるのでしょう。NuPrimeはデジタル技術だけではないという主張も感じられます。アイソレーションフィート(特許出願中)による振動吸収効果も謳っていますが、これもアナログ的な技術です。

    DACとしてはAES/EBU入力を装備しているのは、価格や筐体の大きさを考えると結構頑張ったと思いますが、実際にどれくらいニーズがあるものなのでしょうか。むしろ、HDMI入力を装備しているほうが汎用性は高まったのではないでしょうか。

    また、海外メーカー品にしては安価なのもニューフォース同様の特徴です(NuPrimeは必ずしもそういう方向性ではないと当初は謳っていたような覚えはありますが、今回の機種はコストパフォーマンスの高い機種と言えるでしょう。)。

    これでヘッドホン端子もアンバランスだけでもいいのでつけてくれれば、さらにコストパフォーマンスは高まったでしょうが、そこは「HPA-9」ヘッドホンアンプを別に買ってください、ということでしょう。

    PCオーディオでのデスクトップ使用では、本機とアクティブスピーカーの直結が合理的でコンパクト、コスト的にも優れたシステムが組めそうです。

    「STA-9」ステレオ・パワーアンプも用意されているので、通常のパッシブスピーカーと使う場合も、デザインと音の揃ったシステムを容易に組む事ができます。

    外形寸法は235W×55H×281Dmm、質量は2.3kg。

    AKM_AK4497EQ
    旭化成エレクトロニクス(AKM)は、CES2016において、DSD 22.4MHzやPCM 768kHz/32bit入力に対応した高品位DAC「VERITA AK4497EQ」を新発表し、今夏から発売するとアナウンスしました。

    2014年発売の従来のAKMの最上位DACチップ・AK4490のさらに上位に位置づけられる同ブランドの新フラグシップDACとして登場。自作愛好家から、このDACを組み込んだ製品を買うようなオーディオ愛好家まで、待ちかねた新製品でした。

    ハイエンド/プロフェッショナルオーディオや、AVアンプ、ネットワークオーディオ、USB DACなどでの利用を想定した新世代の32bitプレミアム2ch DACという基本的位置づけ。ESSのチップのように1チップで8chなどのマルチチャンネルには対応しません。ステレオ使用に注力していることもうかがわれます。

    入力は最大786kHzのPCM入力と22.4MHzまでのDSD入力をサポート。これも従来のAKMにチップにはなかったハイスペック。現状でこの入力を生かせる音源があるかは検討すべき問題ではありますが。

    多くの人が注目する肝心のS/Nは128dBで、モノモード時は131dB。THD+Nは-116dBで、「業界最高水準の低歪」としています。128dBというS/Nは従来品と比較して8dBもS/Nを下げることに成功しています。これはかなりの努力とノウハウ、企業秘密によって達成されたようです。

    IRD(Impulse Response Designed)フィルターを搭載。6種類のサウンドカラーが選択可能で、新フィルターとしてハーモニックサウンドが追加されているのもポイントです。音色をある程度変えることができる遊び心があるようです。リアルな音を追究するようなユーザーやメーカーが必要とするかはわかりませんが。

    デジタルフィルターも追加され。従来の4つのフィルターに加えてインパルス応答、位相特性、周波数特性をバランスさせることを実現させたという「Low-dispersion Short Delay Filter」が追加。これも実際にはあまりいじることを好まないユーザーやメーカーもありますが、この新フィルターモードの謳い文句はなかなか魅力的に見えます。このフィルターを使える形で製品化されるものも期待したいです。

    以上の内容とスペックによって“歴代最高性能”とAKMでは謳っています。あくまでAKMとしてですべてのDACのなかでという意味ではありません。

    CES2016ではライバル・ESSテクノロジーもハイスペックな高級DAC・ES9038PROを発表。そちらもかなりの内容で、現時点ではESSのほうが話題になっている感じです。

    ですが、AKMのチップにこだわるメーカーもかなり多いですし、しかも、普及品でなく、ハイエンドクラスのオーディオ機器への組み込みも少なくないですので、この新チップの登場は業界の活性化にきっとつながります。

    具体的にはエソテリックが今後のハイエンド機機に使用するような印象があります。

    このAK4497EQで開発された仕様を、ミドルクラス以下のD/Aコンバーターへ継承していく計画も進められているとのことで、過剰なスペックはともかく、音の良さはぜひとも下のモデルにも反映させて欲しいものです。

    国内のメーカーも多く参加する2016 International CES。

    オーディオテクニカも大規模にブースを展開。そこでは数多くの日本未発表のヘッドホン、イヤホンなどの新製品を展示。

    これらは今後日本にも導入されるとてっきり思っていたら、なんとその多くが日本投入の予定はないというのです。

    ATH-SR5というオンイヤータイプの軽量ヘッドホンなど、なかなか魅力的に見えますが、残念です。

    本体にBluetoothを内蔵し、Bluetoothヘッドホンやスピーカーでアナログレコードのサウンドが楽しめるという「ワイヤレスターンテーブル ATH-LP60-BT」も機能的に注目したいところですが、これも日本導入予定なし。

    日本国内ではイヤホン、ヘッドホンブームが続き、海外のマイナーメーカーも多く参入している一方、国内イヤホン、ヘッドホンメーカーの雄・オーディオテクニカは海外に注力するというのは面白い現象です。

    これは先を見据えた賢明な判断なのか、誤った方向なのか、いずれわかるときが来るでしょう。

    ただ、言えることは日本国内の市場は縮小することは間違いないということです。

    往年の名機を紹介。過去のオーディオ機器から新しい何かが見えるかも。

    DP-80はアキュフェーズのCDトランスポート 定価¥240,000(税別) 発売1986年

    アキュフェーズのCDプレイヤー第1号として、DAC、DC-81とペアで発売されたCDトランスポートです。アキュフェーズはCDプレーヤーを出すのに4年もかけたということです。第一号機からしてセパレートというのもアキュフェーズらしいと思います。

    この慎重な姿勢は現在のアキュフェーズがネットワークオーディオプレーヤーに慎重であることに通じていると思うのは私だけでしょうか。

    本機は現役機器としてはあまり期待できないかもしれませんが、オーディオの歴史を語る上では外せない歴史的機種のひとつでしょう。
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