2016年05月

    Accuphase_C-2820

    C-2810の後継機として2011年に発売された高級プリアンプ。価格は120万円(税抜き)。

    アキュフェーズ独自の高精度ボリューム・コントロール方式「AAVA(Accuphase Analog Vari-gain Amplifier)」技術を投入するのは同様。当時の最上位プリアンプ「C-3800」で開発された新回路技術を投入してさらなる高音質化を図ったものです。

    入力部には合計18個のV-I変換アンプを搭載。入力部はバッファーアンプ4個構成となっていることが改良点です。

    AAVAは、増幅部と音量調整器を一体化させ、可変抵抗体を使用しないため、機械的接点が存在しないのが特徴。電圧をいったん16種類に重み付けされた電流に変換し、それぞれ16個の電流スイッチによって組みあわせ、その電流を合成したものを電圧に戻すことで実行されます。
    高SN比や超低歪率、音量調整による周波数特性の変化や音質劣化が少ない、左右の音量誤差が生じない、左右のクロストークが極小になるというメリットを持ちます。

    電源部は独立構成で、トロイダルトランスを2個搭載。またフィルター用のアルミ電解コンデンサーにも、10,000μFの大容量・高品位タイプを4個搭載し、トランスとともに左右モノラルコンストラクションで構成しています。

    また、C-2820では専用のヘッドホンアンプ回路も内蔵。ヘッドホンの感度に合わせ、出力レベルをLOW/MID/HIGHの3段階で切り替えるスイッチも備えます。

    入力は計10系統で、RCAが8系統、バランスが2系統。出力はRCAラインとバランスがそれぞれ2系統とレコーダーの合計5系統。

    フォノには、お得意のオプションボード方式で対応。フォノイコライザーユニット「AD-2820」を増設することでMM/MCに対応します。

    2016年に本機の後継機・C-2850が発売され、本機は生産完了になりました。最新の上位機・C-3850の技術を投入。価格は128万円(税抜き)

    C-2850は、C-3850同様に、最上位ビット用V-I変換アンプを2パラから4パラへと強化。電圧から電流に変換する部分の変換比を上げました。また、I-V変換アンプに低ノイズのオペアンプを採用するとともに抵抗定数に再検討が加えられ、抵抗も低雑音タイプを採用。これらの結果、SN比がC-2820の111dBから112.5dBと、1.5dB改善。

    また発熱箇所を分散させて熱の集中を防ぐことで、信頼性の向上が図られています。フィルターコンデンサーも容量は同じですが、C-2820用に新たに開発されたものが採用されています。ボリュームのリモコン操作時の駆動モーターの振動が筐体に伝わりにくくするという細かい改良も行いました。ボリュームレベル表示はドットマトリックスLEDから大型7セグメントLEDに変更。見た目も多少は変わっています。

    フォノイコライザーユニットもAD-2850にモデルチェンジ。C-2820でも使用できます。

    価格があまり変わってないように見えますが、アキュフェーズの実売価格が2016年6月から上昇するとのことで、実際の価格差はもっとあります。

    C-2820でも十分そうだと思う方は、中古で探してみてはいかがでしょうか。機能的には変わっていないようですし。
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    SOUNDWARRIOR_SW-HP20

    城下工業(株)は、自社ブランド“SOUND WARRIOR”のバランス出力対応ヘッドホン「SW-HP20」のを6月4日に発売します。25,000円(税抜)。

    「春のヘッドホン祭2016」に参考出展され、発売日・価格ともに後日発表とされていたものが本日、正式発表されたものです。

    SW-HP20は、XLR(3pin)端子を備えバランス出力に対応したダイナミック密閉型ヘッドホン。

    φ40mmのダイナミックドライバーを搭載。再生周波数は10Hz~35kHz。このため、ハイレゾ対応は謳っていませんが(40kHzの周波数が必要)、現実的には十分にハイレゾ音源に対応可能です。

    アンバランス型(Φ6.3mmステレオ標準プラグ接続コード)、バランス型(XLR接続コード)の2種のコードが付属します。一般的な接続にももちろん対応します。

    なお、同時に、真空管バッファ付ヘッドホンアンプ「SWD-HA10」も50,000円(税抜)で発売されます。

    「SW-HP20」は、同社のハイレゾ対応コンパクトコンポ“SW Desktop-Audio”シリーズにラインナップするコンパクトなヘッドホンアンプ。プリ段に真空管12AU7を1本、パワー段に出力15WのD級アンプを2基搭載したハイブリッド構成を採用することが大きな特徴です。

    もちろん、ヘッドホン出力端子には、3pinタイプのXLR端子を備え、SW-HP20へのバランス出力に対応します。

    “SOUND WARRIOR”シリーズはかつてのラステームの低価格、コンパクト、高品位なPCオーディオシステムを彷彿とさせますが、ラステームほどにはオーディオ愛好家の間で話題になっていないようです。

    やはり、スペックや機能だけでオーディオ愛好家が注目するほど甘くはないということでしょうか。

    また、現在も存在するメーカーで似たようなコンセプトではオラソニックがあり、そちらのほうが知名度が高いことも影響しているようです。

    機能的には工夫して差別化しているだけに、音がよければ注目はされるはずです。

    この2機種のコンビはどう市場で受け止められるでしょうか。


    Contour S1.4(2003年)と、その特別版で限定モデルのContour S1.4 LE(2014年)。

    Contour 最小のブックシェルフ機。大口径アルミボイスコイルを備えたMSP17cmウーファーと新ESOTECと呼ぶソフトドームトゥイーターによる2ウェイ。フロントバッフルには吸振材を介してメタルプレートが取り付けられ、ユニットはここに装着。またトゥイーターは別のベースプレートにマウントされ、メタルプレートがぴったりはまるように精密な加工が施されて一体性の高い構造を採っているのも特徴。ウーファーを上にした倒立配置になっているのも一見してわかる特徴です。

    LEではさらに、「Bubinga High Gloss(ブビンガ・ハイ・グロス)」「Walnut Special(ウォルナット・スペシャル)」「Mocca High Gloss(モカ・ハイ・グロス)」という3種類の特別仕上げから選択可能。

    内部ワイヤリングに高品質OFC(無酸素銅)製カッパー・ケーブルを採用するなどの変更も実施。また、クロスオーバーは「Consequence Ultimate Edition」および「Confidence Platinum」で採用されている高品質デバイスを使用。

    いずれも、高級ブックシェルフ機として高い評価を得ていました。

    2016年、“CONTOUR”シリーズはモデルチェンジ。本機に相当する機種はCONTOUR 20となります。新規に開発されたミッドレンジ/ウーファーユニットの採用を中心にかなり大きな変化があるようです。

    キャビネットの形状もスクエアから流線型に変更。これは大きな違いです。

    こうなると以前のDYNAUDIOが好きだった人は、旧機種のContour S1.4が欲しいという方もいそうです。

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    4月29日・30日の両日、中野サンプラザで開催された「春のヘッドフォン祭2016」。

    Campfire Audioは新製品2モデルを展示。いずれもマルチBAモデル。

    「NOVA」(ノヴァ) と「ANDROMEDA」(アンドロメダ)で、5月末~6月上旬頃から発売。オープン価格で、店頭予想価格は、NOVAが6万円前後、ANDROMEDAが13万円前後。

    こおではNOVAを紹介。

    NOVAはフルレンジのBA(バランスドアーマチュア)ドライバーを2基搭載。筐体は アルマイト加工が施されたアルミニウム。 下位モデルのORIONよりも、更に余裕感のあるサウンドになっていると謳っています。

    感度は114dB、周波数帯域は10Hz~20kHz、インピーダンスは22Ω。

    人間工学に基づいた設計を行うことで耳へのフィット感を高めているとしています。MMCX端子を採用し、ケーブルは着脱可能。ALO audioの「Ritz Wire Earphone Cable」が付属。

    NOVAは、上位のJUPITER、ANDROMEDAと違い、同社が「Resonator assembly(レゾネーター・アセンブリー)」と名付けたチューブレス設計を採用していません。

    このチューブレス設計がCampfire Audioの売りなだけに、これがないNOVAはどのように評価されるのか注目です。

    イヤホンからケーブルに至るまで、アメリカ・オレゴン州ポートランドで、確かな技術を持つ職人達によりハンドメイドで生産されているのも特徴。耐久性、快適さ、デザインのすべてで一流を目指していると、メーカーは謳っています。

    チューブレスなしでも十分に楽しめるならそれでいいと思います。

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