米グラド(Grado)からオープンエア型のヘッドホン「GS2000e」が発売されます。ステレオ標準プラグのアンバランス接続対応スタンダードモデルと、XLR端子を装備するバランス駆動対応モデルの2種。
スタンダードモデルの「GS2000e」¥149,000(税抜)、バランス駆動モデルの「GS2000e-balanced」は¥174,700(税抜)です。
ストラディバリウスといったヴァイオリンの名器やピアノなどと同じく、異なる木材をハウジングに採用する「ハイブリッド構造」が最大の特徴。木材をハウジングに使用するので有名なグラドとしても初めての試みだそうです。おそらく他社でも採用例はないでしょう。
外側にはマホガニー、内側にはメープルを用いたハイブリッド構造。素材それぞれの特色を活かすよう設計したとしており、メープルにより音の持つエネルギーをフルに伝え、マホガニーによりそのエネルギーを開放するとしています。この構造により、奏者が意図した空間の再現を狙った、としています。
ドライバーは新開発のφ50mmを搭載。これにより、周波数特性は4Hz~51kHzと超ワイドレンジ。
ヘッドバンドには側圧調整板内蔵本皮を使用し、独自開発のイヤーパッドを装備しているので、装着感の良さも狙っています。
付属ケーブルは長さ約2.1mで、12芯UHPLC無酸素銅線を採用。端子部は、アンバランスモデルはステレオ標準6.3mm端子を備え、バランス駆動モデルはXLR端子を装備。
ミニプラグ・アダプターケーブル、4.5m延長ケーブルが同梱。加えて、バランス駆動モデルには標準プラグアダプターケーブルも付属。
感度は98.8dB、インピーダンスは32Ω。ケーブルを除く重量は約260g。
「ハイブリッド構造」などと謳うものですから、てっきり、「ダイナミック型とBA型のハイブリッド」みたいなイメージを持った方も多いようですが、このポイントで「ハイブリッド」でした。さすがグラドと言うべきか。
従来の高級モデル、GS1000eの上級機であり、価格も高くなりそうな予感でしたが、アメリカでの価格1,395ドルを考えると、意外なほど良心的な国内価格でした。もっともアメリカでの定価も高いのかもしれませんが。
GRADO グラド GS1000e
どうなんでしょう。素材の説明からすると、得意なのはクラシック音楽のヴァイオリンをはじめとする弦楽器、またピアノ、ということでしょうが、グラドの一般的ユーザーはそんなにクラシックメインでしたでしょうか。
独自の外観と価格は、一部では「民芸品」などとも呼ばれているグラドです。民芸品は褒め言葉なのか揶揄なのか微妙なところですが、本機は何と呼ばれるでしょうか。