2016年09月

    B&W_P3S2_
    ディーアンドエムホールディングスは、同社が取り扱う英Bowers & Wilkins(B&W)のコンパクトな密閉型オンイヤーヘッドホン「P3 Series 2」を発売します。

    オープン価格で実売2万円程度。

    「P3 Series 2」は、“モバイルHi-Fiヘッドホン”「P3」のドライブ・ユニットを改良した後継機。ポータブル用途を強く意識したヘッドホンです。

    同社のHi-Fiスピーカーのような明瞭なサウンドを狙って、ドライバーを再設計したとしています。マイラー・ダンプ・ラミネート振動板を採用した30mmダイナミック型ドライバーを搭載。これにより同社がスピーカーでもこだわるポイントである正確な振動板のコントロールが可能になったということです。

    イヤーパッドとヘッドバンドクッション部の素材も変更。シープスキン・レザーを採用し、耐久性を向上させつつ高級感のある外観にしたと謳っています。

    P3と同様に折りたたみ式を採用。重さは130gと軽量。先代と重さは変わっていません。

    基本的な仕様は従来モデルと同一。インピーダンスは34Ω、周波数帯域は10Hz~20kHz。ケーブルは着脱式で、長さは1.2m。

    一連の同社製ヘッドホンと同じく、独特のレトロ風なデザインをしているのもP3から継承。

    上位のP7あたりは非常に高音質なモバイルヘッドホンとしても高評価ですが、P3の影が薄かったのは否めません。ただ、カラフルなカラバリなど、おしゃれなヘッドホンとしては良かったようです。

    見た目と軽さを超えた高音質部分で先代を大きく超えていれば、この価格帯でもモバイルヘッドホンの定番機の座を得られると思いますが、どうでしょうか。

    B&W_P7wrlss_


    なお、同時にP7をBluetoothワイヤレス対応にしたヘッドホン、「P7 Wireless」も発売。オープン価格で予想実売価格52,000円前後。やはり話題の中心はこちらになりそうです。

    Audeze_iSINE
    平面磁界駆動型ヘッドホンでヘッドホン愛好家には有名な米Audeze(オーデジー)が、IFA2016で、初の平面磁界駆動型イヤホン「iSINE」を発表しました。

    もともと平面駆動ヘッドホンじたい、製品化のノウハウが難しいため、手掛けるメーカーが少ないものです。そのなかでもAudezeはリードする存在でした。

    さらに、ドライバーユニットの小型化も難しいので、イヤホンに搭載するのは困難とされていました。今回の製品化はこうした事情からすると驚き。実際、「平面駆動型のイヤホンは世界初」としています。世界初ではないという指摘をしている方もネット上におられますが、実際どうなのか、不勉強で今のところわかりません。

    ラインナップはスタンダードモデルの「iSINE 10」と、ボイスコイルを強化した上位機の「iSINE 20」。北米での販売価格は“10”が399ドル、“20”が599ドル。イヤホンにしては高価ですが、Audezeの製品としてはまずまずの価格。イヤホンの設計と生産は米ロサンゼルスの拠点で行っているのも魅力です。

    ドライバーは、オーデジー独自の平面磁界技術「Fluxor Magnetic Technology」を採用。振動板はなんと人の髪の毛ほどの薄さに成形。強化したネオジウムマグネットで挟み込むことで、リニアできめ細かな音を再現するといいます。

    どちらもユニットのサイズは30mm。音の歪みを低減するボイスコイル技術「Uniforce」により歪率を約0.1%にまで低減していることも特徴。ドライバーユニットの再生周波数帯域は10Hz~50kHz。ハイレゾにも対応する申し分のないワイドレンジです。

    カナル型のイヤーピースを使って耳穴に装着するスタイルながら、ハウジングはオープン型で、本体に装着する2種類のイヤーフックで固定するという独特の装着法。

    ステレオミニケーブルのほか、Lightning端子のアンプ内蔵ケーブル「CIPHER」も同梱されます。ケーブルは交換可能。iPhone/iPad/iPod touchとのLightning接続時は、ケーブル内部のDAC/DSPチップによって24bitまでの音源をデジタル入力して高音質で聴くことが可能。iOSアプリ「Audeze」を使って10バンドのイコライザなども利用可能と多機能も魅力。

    ニュースサイトでの試聴によると音漏れは盛大とのこと。あまり人前で使えないのであれば、室内専用というのももったいないですね。

    ともあれ、世界初の製品としての意義は小さくないものでしょう。イヤホンの世界がまた広がりました。

    SENNHEISER_HD_569
    オーディオ・ビジュアル関連の世界では今、IFA2016での新製品の発表ラッシュに沸いています。なかでもソニーのポータブルオーディオ機器の新製品群の話題がメインです。

    ヘッドホン関連でもソニーの新フラグシップMDR-Z1Rの話題で持ち切りです。

    人気のゼンハイザーも新製品を発表。なかでは開放型ヘッドホンの大定番、HD 598がモデルチェンジということで、少なくともゼンハイザーファンの間では話題になっています。ただ、内容的には手を入れておらず、デザインと、イヤーパッド、ヘッドバンドを変更しただけのようです。それだけでも音は変わりますからモデルチェンジには違いありませんが。

    いずれにしても、すでに他のサイト、ニュースサイトなどで話題になっている機種を取り上げても、本サイトのような弱小サイトでは埋もれてしまうと思うので、あまり他では取り上げていない機種の記事にしてみようと思います。

    ゼンハイザーはIFA2016で、中級ヘッドホンシリーズHD 500シリーズ新機種を発表しました。 新HD 500シリーズは、開放型の「HD 599」(249ユーロ)と「HD 579」(199ユーロ)、シリーズ唯一の密閉型の「HD 569」179ユーロ、「HD 559」149ユーロの4種類をラインナップ。

    ここでは、HD 500シリーズでは初めてという密閉型のHD 569をご紹介。アウトドアでもHD 500シリーズを使いたいというユーザーの声に応えたのだそうです。開放型ならではの空間再現性を維持したまま、クリアで豊かな低域と、高い遮音性を両立したとしています。38mm径のダイナミック型ユニットを採用し、周波数範囲は10Hz~28kHzです。インピーダンスは23Ω。

    ケーブルは4機種とも着脱可能で、ロック機構も装備。シリーズではHD569のみに、1.2mのマイクリモコン付きケーブルも同梱されるのも便利です。

    正直、価格面からして、高度なレベルでの高音質は難しいとは思いますが、HD 500シリーズのイメージでどのように外でも使える手頃な密閉型として仕上げてきているのか気になります。それならHD 25でいいじゃないか、という人もいるでしょうが、音質の方向性、見た目などいろいろな点でHD 500シリーズ的な製品が求められることもあるでしょう。

    ファイルウェブでのHD 569現地速攻リポートでは、「中高域の解像感が鮮明で分解能が高い。音の粒立ちや立体感にも優れている」「開放型ヘッドホンで聴いているようなほぐれの良さと、爽やかさを残す余韻」となかなかの評価。ゼンハイザーでも、密閉型ながら空間再現性を高めるのに多くの開発時間を割いたと言っています。

    HD 569は、日本でも人気が出るか、注目したいヘッドホンです。

    KEF_LS50st
    KEF LS50 standard 価格は145000円(ペア) 発売2013年

    2ウェイバスレフ型のブックシェルフ型スピーカー。限定品だったLS50(2012年・11万円)を通常販売化したモデル。

    LS50はなんと、あの英KEFの50周年記念モデル。

    LS50 standardは、LS50にはついていた、本体のフロントおよび背面の「Anniversary」のロゴが無くなっている以外は、スピーカーとしての内容、スペックは全く同一です。

    小型モニタースピーカーの銘機として知られる「LS3/5a」の後継として開発されたというすごい触れ込み。50周年記念モデルにしては小型で安いのはなぜ?と思う疑問を一蹴できるほどの理由です。しかも、発売時のKEFのフラグシップスピーカー・「Blade」で開発した特許技術や素材を投入したというのも売り。プロのスタジオ用のニアフィールドモニターを意識した音を提供するというコンセプトでもあります。

    同軸2ウェイのバスレフスピーカー。これは最近のKEFが得意にしているパターンではありますが、「LS3/5a」は同軸でもないし、バスレフでもないので、全然違います。外形寸法は200×278×302mm(幅×奥行き×高さ)。重量は7.2kg。

    デザインも恐ろしく違います。「LS3/5a」の面影は全くありません。というか、現代の普通の小型スピーカーとしてもかなり個性的です。前面バッフルは前のほうに湾曲して盛り上がり、少し不気味に見える同軸ユニットが真ん中に。子供が見たら泣いてしまうかも。しかも、普通のスピーカーのようにサランネットがありません。音楽を聴くときはこのデザインを見ながらとなります。

    内容はさすがに音質重視。ユニットには新開発の同軸2ウェイUniQドライバーを採用。ウーハー部のコーンにはマグネシウムとアルミニウムの合金を使用。エッジには独自のZフレックスを使用し、ツイーター部のスムーズな音の流れを実現するというもの。ウーハーは130mm径。

    ツイーターは25mm径で、ネオジウムマグネットを使ったアルミドーム型。音の拡散を高めるという、タンジェリン・ウェーブガイド形状を採用。また、背圧を逃がすベンテッド構造も搭載しています。

    弾性と強度をともに高めたというバッフルは強圧力成型されたものを使用。独特の表面のラウンド形状は、音のスムーズかつ均等な発散を目指してのもの。硬度を高めたキャビネット、高品位なパーツを採用したネットワーク。

    LS50の発売当初はコストパフォーマンスの良さが評価され、人気がありました。ただ、通常モデル化の際の3万円もの値上げはさすがに大きかったようです。定価からの値引きがあまりない販売状況も影響しているかもしれません。

    中古で買う場合は、LS50なのか、LS50 standardなのか見極めたいところです。記念品的な部分を重視するならオリジナルのLS50を狙いたいところ。

    「LS3/5a」の後継機というのはかなり違った印象です。「LS3/5a」の真の後継機をどこかが出してくることはあるでしょうか?

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