2016年12月

    RHA_S500i
    発売済みのオーディオ製品をご紹介。RHA S500iはRHAのカナル型イヤホンエントリー機。価格は6500円、発売は2016年4月。

    既存のS500にiOS機対応のリモコンマイクを付けたモデル。「140.1モデル」と名付けられたマイクロダイナミック型ドライバーを採用しているのが特徴。アルミニウム製の筐体もコンパクト。全体にコンパクトなイヤホンを狙った設計となっています。

    ケーブルは2つの素材を利用しており、耳へ繋がる分岐部上部のケーブルはTPE仕上げ、分岐部下側は絡みにくいファブリック仕上げとなっているのもポイント。

    再生周波数帯域は16Hz~22kHz、感度は100dB、インピーダンスは16Ω。

    ケーブル長は1.35m。デュアル・デンシティシリコンイヤーピース×6ペア(S/M/L各2ペア)と、ダブルフランジシリコンイヤーピース×1ペア(S1)、イヤーピースホルダ、キャリーポーチ、クリップなどが付属。

    S500にiOS対応リモコンマイクを付けたイヤホンですが、発売当初よりも、リモコン無しモデルとの価格差が広がっています。というのも、代理店が2016年10月からRHAのイヤホンを一斉値下げ。

    S500、S500iも値下げされました。おなじくらい値下げされるのかと思ったら、なぜかS500のほうが大幅でした。具体的にはS500iが6,800円から6,500円と 300円の値下げ。ところが、S500は5,900円から4,800円と1,100円も下げたのです。マイク付きのほうがお得ではない印象ではあります。

    本機はハイコスパが魅力のRHAにあって、これまで以上の低価格帯でも人気を得ることを狙った戦略機のはずですが、どうも思ったほどではないような印象です。

    この価格帯でも他メーカーもなかなか強力で、素材面、スペック面で同等以上の製品がひしめいているだけに目立つのは大変でしょう。

    RHAは基本的な実力は高いので、2017年にはこの価格帯で強力な新モデルが出てくるかもしれません。

    Panasonic_RP-HDE3
    パナソニックはハイレゾ対応のカナル型イヤホン2種類、計4機種を2017年1月20日に発売します。

    いずれもオープン価格で、実売予想価格は、超多層フィルムの「MLF振動板」を備えた上位機「RP-HDE5」が10,000円前後、同モデルにマイクリモコンを備えた「RP-HDE5M」が11,000円前後、MLF振動板ではない「RP-HDE3」が7,000円前後、同モデルのマイクリモコン付き「RP-HDE3M」が8,000円前後。

    4モデルとも直径11mmのダイナミック型HDアキシャルドライバーを搭載。基本的にはこれによって、40kHz以上のハイレゾ対応の広帯域再生を実現しています。

    RP-HDE3/RP-HDE3Mはユニットキャップのみがアルミ削り出しのハウジングを採用。小型で本体からイヤーピースまでをシックにまとめるワントーンデザインを採用しているのが特徴です。RP-HDE3Mは、スマートフォンの応答や音楽のコントロールに利用できるマイク付きリモコンを備えます。

    RP-HDE3/RP-HDE3Mの再生周波数帯域は5Hz~40kHz、音圧感度は106dB/mW、インピーダンスは20Ω。

    重量は約6g。イヤーピースはXS/S/M/L/XLの5サイズ。ポーチやケーブルアジャストホルダーなどが付属します。RP-HDE3はブラック、シルバー、ブルー、ピンク、ブラウンと豊富なカラーバリエーション。

    なかなかハイレゾ対応というだけでは差別化が難しくなっているイヤホン業界。パナソニックは、特にこのRP-HDE3では女性を意識しているようです。

    特にイヤホンが耳から飛び出して見えにくい小型設計にこだわっているのが特徴です。また、デザイン、カラーリングも女性向けにも対応、を意識しているのは明らかです。付属イヤーピースが小さいものもあるのもポイントでしょう。

    ただ、小型でシンプルにすると、何だか上海問屋で売っているイヤホンのように見えてしまいます。まあ、そんなことに気がつくのはイヤホンマニアだけですからメーカーにとってはどうでもいいのでしょうけど。

    確かに高性能、高音質を謳うイヤホンは使い勝手を大きく犠牲にするほど大きな筐体のものも少なくないので、これからのイヤホン業界は高音質かつ小型も追求していく必要はあるのではないでしょうか?

    なお、RP-HDE5はそれなりに音質に影響する部分でグレードアップした内容ですが、RP-HDE3で満足できるような人や女性にはあまり受けないか興味がないようなものでしょうか?

    IC-HP-LT-9GO_
    リンクスインターナショナルは、Lightning接続のヘッドホン“IC-Headphone”「IC-HP-LT-9 GO」を12月23日に発売すると発表しました。オープン価格で、実売9980円前後の予想です。

    アップルのMFi認証を取得。iPhone/iPad/iPodなどのLightningコネクターに直結させ、デジタル接続によってダイレクトに再生できるヘッドホンです。ヘッドホン内部には、48kHz/24bitのデジタル信号までに対応するDAC/ヘッドホンアンプを搭載しています。もちろん、iPhone7対応です。

    ハウジングにはアルミニウム合金シェルを採用した密閉型。40mm径ネオジウムマグネットドライバーを搭載しています。

    ハウジングの側面に各種コントローラーを装備。ハウンズフリー通話可能なマイクも搭載しています。本体は折り畳み可能で持ち運びも便利です。

    ケーブル素材には6Nグレードの超高純度無酸素銅(OFC)を使用しますが、コードは直出しでリケーブルはできません。ケーブル長は約1.2m。

    再生周波数帯域が20~20kHz、音圧感度が118dB(±3dB)、インピーダンスが32Ω。重量は約250g。

    今後、Lightningコネクターの存続も長い目では怪しいなか、Lightning接続専用ヘッドホンとなると、どれだけ使えるのか不安な気がします。まあ、数年持てばいいのなら大したことはありませんが。でも1,2年で無くなるかもしれませんよ。

    iPhone7に対応するなら同じブランドからほとんど同じ外見でBlurtooth版も出そうですね。女性をもターゲットにしているデザインのようですが、ハイレゾ対応の需要はどうなのでしょうか?

    本機は一応48kHz/24bitのハイレゾ対応であることが売りです。iOS機ではどうしてもこのような中途半端なハイレゾになってしまいます。ただ、今後はaptX HDの兼ね合いもあり、48kHz/24bitがハイレゾのスタンダードになってしまうのかもしれません。




    mohican_

    ヘーゲルからCDプレーヤー「MOHICAN(モヒカン)」を11月1日発売。価格は¥500,000(税別)。

    型番の「MOHICAN」は小説『モヒカン族の最後(THE LAST OF THE MOHICANS)』から取ったもの。"ヘーゲル最後のCDプレーヤー"の意味合いで付けたものだそうです。

    今時のCDプレーヤーとしてあり得ないほどシンプル。つまり本当にCD再生オンリーの単機能です。

    独自にカスタムを施したCDオーディオドライブメカはサンヨー製で、オリジナルのサーボ回路により、正確な読み取り精度を実現するとしています。

    特許技術「Sound Engine(サウンドエンジン)」を用い、ジッターを測定可能なレベル以下にまで減少するとしています。

    DACには旭化成エレクトロニクスの「AK4490」を搭載。もちろん、DSDやハイレゾに対応した最新高級DACチップで、これでCDのみをデコードさせるのはとても贅沢な感じです。しかも、44.1kHz/16bitネイティブで変換。アップコンバート、アップサンプリングの類は排除しています。

    アナログ段は同社の単体DAC「HD30」と同じ構成とのことで、高品位なもの。

    アナログ出力はアンバランス(RCA)×1系統、バランス(XLR)×1系統、デジタル出力は75Ω BNC×1系統を装備。寸法はH430 × H100 × D290mm、質量は6.5kg

    デジタル入力やヘッドホン出力さえ装備しません。ヘーゲルはハイレゾ対応DACや、DAC入力を装備したプリメインアンプを出しているだけに、このCDプレーヤーと潔さは驚きです。

    CD専用ドライブの入手が難しくなっていることもあり、わざわざ専用品を作ったのは驚き。CD専用の高級メカがあた時代はとっくに終わっています。SACDを回せるメカニズムはもっと悲惨な状況でしょうか。

    ただ、この価格で購入するのは、ピュアオーディオ愛好家くらいでしょう。やはり各種デジタル入力のあるCDプレーヤーのほうが利便性は高そうです。

    どうでもCDがかかるプレーヤーは今でもいくらでもありますが、CD専用で音質を追求したものはさすがにほとんどないだけに貴重ではあります。

    こうなると往年のCDプレーヤー名機も気になりますが、メカもピックアップも維持できないとなれば、そっちの中古というわけにもいかないでしょうし…。やはり価値ある選択肢でしょうか。

    basic_thumb
    完実電気は、Sonus faberが、デザインや設計開発、生産まで全面的に携わった新ブランドPrymaのヘッドホンを12月15日に発売します。

    第一号機は「Pryma 01」で、オープン価格。実売予想価格はノーマルモデルが58,000円前後、シエルカバーにカーボンを使ったモデルが64,500円前後。

    まあ最近のヘッドホン界からするとべらぼうに高いわけでもなく、論評に困るほどです。ソナスというと、木製エンクロージャースピーカーで、しかも箱の鳴りを活用した唯一無二的な存在として知られていました。

    しかし、創業者のフランコ・セルブリンが去ってからは、確立されたブランドイメージを活用した、以前よりは個性の薄れた優等生的なスピーカーメーカーになったようにも言われます。

    また、ホームシアターにも対応するなど、当初のピュアオーディオ一辺倒の方針からも変っています。要はワールドワイドなオーディオメーカーになったわけです。グローバル化ともいうのでしょう。

    ですから、オーディオ業界で無視できない存在になったヘッドホンにも参入しなければならないのでしょう。B&Wもそうですね。

    ただ、天国のフランコ・セルブリンはどう思っているのでしょうか?

    本機はドライバーにSonus faberの技術を投入。イタリアで職人が手作りで仕上げているとのこと。

    ハウジングには、軽量で剛性に優れたアルミニウム素材を採用。独自設計のイヤーパッドは、快適さと遮音性を追求し、レザー素材を採用。シェルカバーに、「精悍でアクティブさが際立つ」というカーボンを使ったモデルもラインナップ。ヘッドバンドにはイタリア製本革素材を採用。バンドの裏面にはマイクロファイバーが使われ、通気性にも優れています。

    ハウジングは密閉型。ユニットは40mm径で、インピーダンスは32Ω。再生周波数帯域は10Hz~25kHz。歪率は0.1%以下。最大入力は120mW。感度は118dB。


    ケーブルは着脱可能で、ヘッドフォン側の端子は2.5mmのモノラルミニ。プレーヤー側はステレオミニで、ケーブル長は1.3m。重量は355g。


    むしろSonus faber云々ということを抜きにした方が評価できそうな高級感溢れるしかもおしゃれなヘッドホンに見えます。これなら見た目だけでも価値がありそうです。悪くない印象です。割と女性にも似合いそうなのもポイントです。さすがイタリアといったところなのでしょうか?Sonus faberのスピーカーはあまりおしゃれとか女性向きといった印象は受けないだけに意外です。

    まあ、デザインはSonus faberではないようですから、そのあたりに秘密があるのでしょう。

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