スピーカー

    Fundamental_SM10Z
    ファンダメンタルは、Fundamentalブランドの小型スピーカー「SM10Z」を8月21日に発売します。価格は180,000円(税抜・ペア)。

    2010年に発売された同ブランドの同軸2ウェイの小型モニタースピーカー「SM10」の後継機です。基本構成は同様で、外見も見分けがつかないほど酷似しています。

    搭載されている同軸2ウェイ・ドライバーユニットはSM10と同じもの。11層のピアノ塗装が施された18mm厚MDFエンクロージャーも同じとのことです。

    SM10の12cm同軸2ウェイユニットは、ウーハーがポリプロピレン、トゥイーターがソフトドームを採用したオリジナル品。エンクロージャー内部は吸音材を持たせず、特殊なヒダ加工を全面に施して定在波の発生を抑える方法も独特。

    スリットプレッシャーバスレフ構造の採用により、39Hz~25kHzの再生帯域を実現しています。外形寸法じゃ最大175W×268H×270Dmm 、質量:4.2kg(1本) ですから、サイズにしてはかなりのワイドレンジでしょう。ちなみにSM10では40Hzからの再生でした。1Hzが大きい帯域だけに重要な違いです。

    スパイク脚は長短2種類を揃え、仰角をつけたセッティングが行えます。サランネットは着脱式。

    本機では、SM10からネットワーク回路を高品位かつ高精度にリニューアルすることで、全域にわたる過渡応答性とユニット感のつながりの向上を図ったとしています。

    具体的には同社のリファレンスクラスのモニタースピーカー「RM10」同様の低インピーダンスなロジウムメッキスピーカーターミナルを採用。端子を支えるターミナルボードも、「RM10」同様のアルミ削り出し材を使用したことで、信号系の接点損失を最小限にし、スピーカー全体の剛性が向上したとしています。もちろん音質が向上したということです。

    受注生産のカスタムモデルで、組み立てから調整、測定まで全て1人の手によって行われるというのもプレミアム感があります。

    オリジナルモデルも鈴木哲氏設計によるもので、オーディオ愛好家のみならず、プロオーディオ界、音楽評論家、ミュージシャンなどから幅広く注目されました。実際にオーディオ誌にも執筆していた音楽評論家の小野島大氏が使用していることなどが知られています。

    ではSM10はどうなってしまうかというと、、2016年末までの期間限定で、従来のSM10からのバージョンアップを受け付けます。バージョンアップ費用は40,000円(工賃込み・税別)です。SM10ユーザーのみなさん、ご安心ください。小野島大氏もツイッターで早速バージョンアップの検討をしているようです。

    本機もやはり、ソウルノート、ファンダメンタルのアンプ、プレーヤーで駆動するのが好ましいのでしょう。そうでなくとも、独自の存在感はSM10に続いて維持、あるいは拡大しそうです。

    Sonus-Faber-Electa-Amator
    過去に発売されていたオーディオ製品を紹介。Sonus faber ELECTA AMATOR ソナス・ファベールのスピーカー 価格:¥265000・一台 発売1988年

    ラテン語で「選びぬかれた友人」と名づけられた、フル・ハンドメイドの小型2ウェイスピーカー。

    低域には18cmの特殊樹脂素材コーンによるスキャンピーク製特注ユニット、高域には2.8cmのドーム型ユニットDynaudioのT330を採用。

    エンクロージャーには無垢のブラジリアンウッドを採用。フロントバッフルには本革を貼り不要輻射を防止し、リア・バスレフ型。

    スピーカーターミナルはバイワイヤリングに対応。

    別売りで底板に大理石を使用した専用スピーカースタンドがありました。

    イタリアのスピーカーブランド、 Sonus Faber(ソナス・ファベール)の記念すべき日本デビュー作。社運を賭けたこの第一作は世界で高い評価を得、ブランド名とともに作者のフランコ・セルブリンの名も世界にとどろかせました。北イタリアの町、ヴィツェンツァにある小さな工房が世界を驚かせたのです。

    良質な木材の豊かな響きを生かす、オーディオで言う”箱鳴り”を積極的に生かした音作りをするのは、当時としても異端的。この路線で成功したスピーカーメーカーの最右翼となりました。外観の美しさも驚異的。

    その成功は、いい木を使って、工芸品的外観を取り繕えばできるようなものでもなく、あくまでオーディオ的な面での作り込みのよさが命です。似たようなイタリアブランドの木製スピーカーブランドがいくつか出ましたが、箱鳴りを生かす音作りまで似せたり、結構凝っていましたが、今はとんと名前を聞かなくなっていることからも明らか。

    ブラジリアンローズウッドというエンクロージュアの木材はハラカンダ材と呼ばれる大変貴重な高級木材で、原産地ブラジル政府は1992年に締結されたワシントン条約に基づいた禁輸措置を取っているため、現在も今後も同一に復刻することもできません。また、作者のフランコ・セルブリンも亡くなっているため、本人による似たような復刻版の制作も無理です。

    音の良さ、外見の美しさ、エポックメイキングな価値観、再現不可能な貴重性など、さまざまな要素を併せ持つ、オーディオ界の伝説的名機です。しかも、べらぼうに高価というわけでもないのも大きなポイントです。

    現在のオーディオ業界が本機を顧みることで、いろいろと考える点はあるのではないでしょうか。 現在は全く別なメーカーになってしまっているソナス・ファベール自身ということでもなく。 【Sonus faber ELECTA AMATOR】の続きを読む

    QAcoustics_2020i
    英国で最強のコストパフォーマンススピーカーとも言われるのがQ Acoustics。

    なかでも2000シリーズという最もエントリークラスのモデルが人気、評価とも(国外では)高いです。

    国内ではイースタンサウンドファクトリー(ESF)が代理店をしていますが、なぜか製品の扱いが安定しないことと、価格の上下が大きい点が気になります。

    現在も、2月に販売を停止していたQ Acousticsブランドの中級スピーカー「3000」シリーズの販売を9月3日に再開すると発表したばかりです。しかも大幅値上げ。

    それでも3000シリーズは発売するだけましです。2000シリーズに至っては現在、国内での取り扱い
    がありません。一日も早い取り扱い再開と、最小限の値上げ幅に抑えてほしいところです。英国の有名オーディオ専門誌WHAT HiFi?の年間アワードのステレオスピーカー部門で2年連続ベストバイを受賞という輝かしい実績がある2000シリーズなのですから、なんとかしてほしいですね。国内では宣伝しないせいか、知名度が高くないのが残念。しかもバジェット系ですから、本格的なマニアは知っていてもわざわざは買わないのかもしれません。

    2020iは2000シリーズの中核的機種である2ウェイ・ブックシェルフ機。小型機として適度な大きさであるので、デスクトップオーディオにもよさそうです。

    レンジを欲張っていないので、オケのスケール感とか、ハイレゾの高域の凄みとかはあまりないようですが、音楽に必要十分な帯域の再現力が高い方向性のようです。オーディオ愛好家のサブ機、音楽愛好家のメイン機にも向いています。

    木目の仕上げ、グロスホワイト、グロスブラックの3つの仕上げがあります。それぞれに魅力的な外観です。

    とにかく価格にしては音がよい、というのが高評価の理由ですので、評価は売値次第というところもあります。2万円台なら素晴らしいけれど、4万円台となるとちょっと…みたいな印象。

    現在手に入れるにはヤフオクなどの中古市場。この相場もESFの定価と販売状況に左右されます。2万円以下程度で入手できればよさそうです。

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    MONITOR AUDIO PL200

    生産完了オーディオ製品情報 Monitor Audio PL200 価格:¥945,000/ペア/税抜き 発売2009年

    同社のフラグシップライン“Platinum”のトールボーイモデル。他のモデルが2007年に発表されていましたが、本機は2009年に発表されました。

    同シリーズの最上位機PL300を小型化しながら、トールボーイならではのワイドレンジとスケール感を両立した優秀機です。

    ウーファーやリボン型ツイーー^の振動板に、高硬度・高効率ながら軽量なC-CAM(アルミ・マグネシウム合金)を採用しているのがシリーズ共通の大きな特徴です。前面バッフル、ベース、およびミッドレンジのハウジングに用いられている「ARC(Anti-Resonance Composite)材料」による鋳造パーツも特徴です。

    トゥイーターはリボン型で、振動板にはC-CAM合金をサンドイッチしたものを採用。NeFeBレアアース・マグネットを採用。極度に低い相互変調と歪率を実現し、ハイレゾに対応する100kHzまでの可聴外周波数をカバーしています。

    ミッドレンジドライバーには、さらに直線性を最適化し、歪を減少させるため、アンダーハング・ボイスコイルデザインを採用。高エネルギーのNeFeBレア・アース・マグネットと50mmの大型ボイスコイルにより、安定感の高い再生能力を実現。各ドライバーにはダイレクト・ドライブRDTコーンを採用

    キャビネットは木製ベニヤの多重積層構造。キャビネットのフィニッシュはエボニー(黒檀)とサントス・ローズウッドに11層のピアノラッカーコーティングを施した美しいもの。ピアノ仕上げもありました。前面バッフルにはベントレーの高級車やプライベートジェットなどのシートにも採用されている、Andrew Muirhead社によるストラススペイ革を用い、贅沢な外観と音質チューニングに寄与しています。

    2016年に“Platinum”シリーズはモデルチェンジ。本機もPL200Ⅱとなりました。内容の変更は大きく、フルモデルチェンジと言っていい内容です。

    ただ、PL200の完成度も高く、中古で安価に買えるなら検討に値する名機でしょう。


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    ELAC_Debut_B4
    ユキムは、独ELACのスピーカー・Debut B4を6月21日より発売します。価格は43,000円(ペア)。

    ELACで最もリーズナブルなスピーカーシリーズ、「Debut Line(デビュー・ライン)」シリーズの新製品として登場。

    2ウェイバスレフのブックシェルフ型スピーカー。これまでシリーズ最小だった「B5」からさらに小型化したコンパクトさが特徴です。本体サイズは178W×292H×216Dmmで、質量は4.2kg(1台)。仕上げはブラックビニール・ブラッシュド。

    25mmクロスドームトゥイーターと100mmウォーヴン・アラミドファイバー・コーンウーファーを1基ずつ搭載。ウーファーの強度と軽さを高めるアラミドファイバー素材や、トゥイーターに新デザインのウェーブガイドを採用しています。リアバスレフ型。

    能率は84.5dB/2.83V/1mで、インピーダンスは6Ω。周波数特性は48Hz~20kHzで、クロスオーバー周波数は2,500Hz。

    TADやKEFのスピーカーを手がけてきた著名なエンジニア、アンドリュー・ジョーンズ氏がELACで開発したのがDebut Line。本機のユニットも氏の設計です。シリーズの各機種はすでに各所で高い評価を得ています。ELACというとJETツイーター。JETツイーターを採用しないエントリー機はたいしたことない、みたいな論調を一気に吹き飛ばしました。

    Debut Lineは、ブックシェルフの「B5」と「B6」、トールボーイの「F5」、センター用「C5」と、Dolby Atmosイネーブルドスピーカー「A4」、サブウーファー「S10」、「S10EQ」があります。

    本機も、ペア4万円台という価格帯を実現することで、多くのユーザーへの普及を目指しているとのことで、設置しやすい大きさもあり、大いに期待できそうです。ただ、販路が、販売は特約店のみで行うというのはひっかかります。簡単にアマゾンや楽天でも買えるとより普及すると思うのですが。

    ただ、試聴もしないで、買って、その結果、思っていたのと音質が違っていたなどと文句をネット上で書かれることを警戒しているのかもしれません。むしろ本気で普及を願っているからこその販路限定なのでしょう。どうしてもオーディオをある程度わかっている愛好家のサブ機的になりそうな印象ですが…。

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