プリメインアンプ

    過去に発売されていたオーディオ製品、特に中古市場で人気の機種を紹介。マッキントッシュのパワーアンプMC2500。発売1980年 定価は1,180,000円 。

    ステレオで500W+500W、モノラル動作1000W発生できる半導体式パワーアンプ。

    例によって出力とトランスを持つので、インピーダンスに関わらずリニアな出力。つまり、低インピーダンスに強いわけです。さらに、お馴染みのパワーガードシステムを搭載。急な大出力でスピーカーを傷めることもありません。この機種から採用された技術でした。

    ブルーアイズのパワーメーターもちろん装備。取っ手があるのはプロ機っぽいですが、好みは分かれそう。ブルーアイズメーターはしっかり装備。

    本機は大出力の割に保護回路がしっかりしているので、中古でも壊れにくいと言われます。数も多く、価格も安定しているので、中古で買いたい本格的なマッキントッシュのパワーアンプの代表とも言われます。

    入力はRCAのみ。左右独立入力レベル調整機能搭載。ヘッドホン端子もあるので、いろいろ便利に使えますよ。最新のUSB-DAC(プリ機能があると良いですね)との組み合わせなども面白そうです。


    MA6300
    マッキントッシュのプリメインアンプMA6300。発売2006年 価格:36万円。

    100W×2(8Ω)160W×2(4Ω)の出力で、伝統のブルーアイズ・パワーメーターを搭載。電源部にはマッキントッシュオリジナルのRコア型パワートランスを採用。一方、出力値がリニアでないことからわかると思いますが、マッキントッシュの高級アンプの証である出力オートフォーマーはなし。

    リモコンつき。ヘッドホン端子つき。バランス入力対応と現代的な便利さは備えます。ただし、トーンコントロールはなし。マッキントッシュのプリメインには普通はついているトーンコントロールはないのは残念。

    プリアウト、メインインはあります。AVアンプのフロント強化用パワーアンプなどとしても使えます。

    2011年2月に日本国内200台限定で、当時の同ブランドの日本法人である(株)マッキントッシュ・ジャパンの設立5周年を記念して本機の特別限定版、MA6300LTDが発売。フロントガラスパネルに「LIMITED EDITION」と刻印し、スピーカー端子を大型化しましたが、内容は同じとのこと。音が違うほどのものはないはずです。

    マッキントッシュ製品は新製品がでるたび値上がっているので、本機あたりの中古ならば、古さと価格、内容のバランスはいいかもしれません。もちろん、出力オートフォーマーにこだわるならナシでしょうが。

    ヤフオクの中古では20万円ほどが相場のようです。

    定格出力     160W+160W(4Ω) 100W+100W(8Ω)
    入力端子     ラインRCA:5系統
    ラインXLR:1系統 フォノMM:1系統
    パワー入力RCA:1系統 録音出力端子     RCA:1系統 プリアウト端子     RCA:1系統
    最大外形寸法     幅445×高さ194×奥行475mm
    重量     16.8kg
    付属     リモコン

    PM-10
    マランツはかねてより発売を予告していた、新フラグシッププリメインアンプ・PM-10を国内正式発表しました。2017年2月下旬発売で、価格は60万円(税別)です。

    基本コンセプトはセパレートアンプ並みの内容をプリメインアンプで実現、のような感じで、それだけだと他社でもこれまでよくあるもの。

    しかし、今回はマランツのこれまでのプリメインアンプとは明らかに異なる点があります。それは、パワーアンプ部へのD級の採用(マランツではスイッチングアンプと呼んでいますが)。

    効率の良いD級を思い切って採用することにより、大出力と省スペースを実現。といっても筐体内部のことで、しかも全体としては大型プリメインアンプそのもの。

    では、なぜ大きいままかというと、この空いた空間を生かして電源やプリアンプ部を充実させたからです。ここが従来のアナログプリメインとは異なるところで、D級採用のメリットということでしょう。

    プリメインアンプながら、フルバランス構成かつフルディスクリート構成のアナログ・プリアンプを採用。マランツ・オリジナルの高速アンプモジュール「HDAM-SA3」によるディスクリート構成・電流帰還型インプットバッファーアンプを構成するなどマランツらしいこだわりで、単体プリアンプ並みの回路を形成しているようです。プリアンプ部のベースになったのは、セパレートアンプの名機SC-7S2/MA-9S2のプリアンプ、SC-7S2とのこと。これは俄然期待できます。

    ボリュームは、L/R独立のフルバランス4連電子ボリューム「リニアコントロール・ボリューム」を採用。MICRO ANALOGSYSTEM社の高精度電子ボリューム素子「MAS6116」を2基と、HDAM-SA3による電流帰還型アンプ回路で構成されます。このあたりはマランツ最近の設計の延長で、アキュフェーズ、ラックスマン、あるいはエソテリックとは異なる路線です。ただ、クオリティーには自信があるはずです。

    肝心のパワーアンプ部はHypex社のD級パワーアンプ・モジュール「Hypex Ncore」を採用。マランツではこれまでもHypex社のD級パワーアンプ・モジュールを使った手頃な価格の複合機・「HD-AMP1」を出していました。今回使われるのは上級タイプ。

    「Hypex Ncore」は、かのジェフ・ロゥランドの高級パワーアンプでも使われている実績のあるデバイス。D級では難しい超高域までの特性を実現していることも大きなポイントです。

    Hypex Ncoreモジュールを片chあたり2基、合計4基搭載。定格出力400Ω×2(4Ω)、ダンピングファクター500(8Ω)のBTL構成大出力高性能パワーアンプとしています。プリメインとしては十分すぎるスペックです。

    パワーアンプの電源はスイッチング方式(Hypex SMPS)を左右独立搭載。ノイズ対策が肝要ですが、この部分にもかなりの工夫を凝らすことで、解決しているとしています。リアパネルやシャーシにはシールド効果の優れた銅メッキ鋼板を採用しているところなどに表れています。

    プリアンプには、なんと大型トロイダルトンランス1基を搭載。スペース確保の賜物です。

    整流回路には、新採用の超低リーク電流ショットキーバリアダイオード、平滑回路にはマランツカスタムによる新開発のニチコンブロックコンデンサー(6,800μ×2)を搭載するなど伝統的な高品位化をうまく行っています。

    入力はアナログ専用。バランス入力も2系統。さらにフォノにも対応。フォノはMM/MC high/MC low対応。

    プリ部に注力していますが、なぜかプリアウトはなし。パワーアンプ入力はあります。ヘッドホン端子はありますが、トーンコントロールはありません。リモコンには対応。

    外形寸法は440×453×168mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は21.5kg。中級プリメインアンプクラスの大きさ、重量です。たしかにD級の恩恵で多少コンパクトなのかな、という感じもあります。

    スピーカーの組み合わせとしてはやはりB&Wの800シリーズをベストマッチングとして想定してるはず。忘れていましたが、SACDプレーヤーは先行発売のSA-10が想定ペアです。

    国内メーカー製プリメインアンプの同価格帯で同等以上の音質評価が得られるかは、従来型のアナログアンプではないだけに注目です。





    LUXMAN_SQ-38u
    過去に発売されていたオーディオ製品を紹介。LUXMAN SQ-38u ラックスマンの真空管式プリメインアンプ。36万円(税別)で2008年に発売。中古市場でも注目される機器です。

    ラックスマンを代表する、そして日本を代表する真空管式プリメインアンプの代名詞的シリーズ・38シリーズ11代目牡の機種。1998年のSQ-38D(39万円)の後継機。

    回路方式はドライバー ムラード回路で出力段はロシア・ソヴテック製の出力管「EL34」4本によるプッシュプル構成のUL接続で定格出力30W(6Ω時)を実現。使用真空管:EL34×4本、ECC83×5本、ECC82×2本 。

    筐体に16mmのMDFにナチュラルな突き板仕上げを施した木箱ケース、フロントパネルには極厚の8mmアルミ板材を採用を採用したことによる、レトロなデザインも特徴。これこそが「38シリーズ」のポイントでもあります。シリーズ伝統となる、フルファンクションのノブレイアウトを採用。

    インピーダンス切替付きの2段構成PK-NF型フォノ・イコライザーアンプ回路を搭載。フォノ入力はMM/MC high/MC lowに対応。MCカートリッジ使用時には内蔵のゲイン切替付きMCステップアップ・トランスを使用するなど、フォノ部への注力も大きな特徴です。

    プリ部とパワーアンプ部が分離使用可能なのも拡張性があります。本機のパワーアンプ部だけを使って、プリにあえて最新のUSB-DACをつないでみるなど、いろいろと楽しめます。

    サブソニック・スイッチと、モノラルレコード再生時に便利なモノラル・スイッチも備えます。トーンコントロール回路には、変化特性が滑らかで、うねりの少ないLUX方式を採用。

    ヘッドホン出力端子も搭載。スピーカー端子も2系統。リモコンも搭載するので、現代的な操作性も身に着けています。

    同時に本機とデザインコンセプトを合わせたCDプレーヤー・D-38uも発売されていました。アナログ出力を真空管回路と半導体回路から選択できる機能を備えていました。


    LUXMAN D-38u コンパクトCDプレーヤー


    さて、本機は2016年に38シリーズ12代目となる後継機・LX-380(46万円)が登場したため、完全に前機種となりました。生産はすでに終わっていたようです。

    LUXMAN_LX-380
    LX-380はずいぶんと内容が変わりました。寸法も変わっています。最大のポイントは、音量調節部にラックスマン・オリジナルの電子制御アッテネーター「LECUA」を真空管アンプ製品として初採用したこと。トーンコントロールも電子式になりました。フォノ部も SQ-38uほどには凝っていないようです。

    回路にはムラード型のドライバー段とビーム管接続のファイナル段を採用。出力管にはエレクトロ・ハーモニクス社製6L6GCを、プッシュプル構成で搭載。ECC82 (12AU7)× 3本も使用。定格出力は20W+20W(6Ω)と随分変えました。長期間の安定性、メンテナンス性を意識した結果なのではないかと、愛好家の間では言われています。外形寸法は440W×197H×403Dmm、質量は17.6kg。

    かなり違う内容なだけに、どちらが良いかは一概に言えませんが、SQ-38uは、フォノMCを重視する人には向いていると思います。手に入れるには新品はなく、中古になりますが。

    38シリーズと言えば、出力トランス。オリジナル以来一貫してコア材にオリエントコア(方向性冷間圧延コア)が使われているOYトランスという分割巻きの特殊な捲き線技術を要する手作りの少数生産品が使われています。SQ-38uでも使用されているはずです。この供給ができなくなったときが、38シリーズの終焉でしょう。まだその日は来ないようですが、いつかは来るのでしょうか?

    Pioneer_XC-HM86_S
    パイオニアは、ハイレゾ対応CDレシーバー「XC-HM86(S)」を9月中旬に発売します。オープン価格で実売5.5万円前後の予想です。

    ハイレゾ対応CDレシーバーシステム。幅29cmのミニコンサイズの一体型機ながら高度なネットワークオーディオプレーヤー機能を持ちます。

    USB/ネットワーク経由でDSD 11.2 MHz、FLAC/AIFF(24 bit/192kHz)、Apple Lossless などのハイレゾ音源の再生が可能。フォーマットは他にMP3/WMA/WAV/AAC/LPCMに対応。DACチップは旭化成エレクトロニクスのAK4452を搭載。

    CD/CD-R/CD-RW (MP3、WMA)再生の他にも、USBメモリーやFM/AMラジオ、FM補完放送「ワイドFM」などに対応。USB接続したHDD内のファイルも再生可能。ただし、USB-DAC機能はありません。

    ハイレゾ音源配信サービス「e-onkyo music」から購入した曲を、PCレスで外付けHDDに自動ダウンロードできる「e-onkyoダウンローダー」にもアップデートで対応予定。

    Wi-Fi機能を搭載し、AirPlayによるiPod touch、iPhone、iPadやMac/PC上のiTunesの楽曲のワイヤレス再生が可能。インターネットラジオのtuneIn、radiko.jpや、Google Cast for Audioにも対応します。

    BluetoothもVer.4.1で搭載。対応プロファイルはA2DP/AVRCP/HOGP-Host(Client)/HOGP-HID(Server)/HID Service(HIDS)、対応コーデックはSBC、AAC。

    3.5インチのカラー液晶ディスプレイを搭載し、アルバムアートなどの各種情報が表示できます。また、専用の操作アプリ「Pioneer Remote App」も対応し、iPhone/Android端末から音量調整やファンクションの切り替え、選曲など操作が可能。リモコンも装備します。

    プリメインアンプとしては、最大65W×2chのPWM変調D級パワーアンプを搭載。従来品XC-HM82に比べて、アナログ部分の長さを短縮し、ノイズによる音質劣化を排除。電源部の電解コンデンサーには試聴を繰り返し選び抜いた部品で、なおかつ電流変化にも対応できる適切な容量への見直しを行うことで、安定的な電力供給を実現。スピーカードライブ能力を飛躍的に向上させたとしています。

    ヘッドホン専用の低ノイズの高性能ヘッドホンアンプも搭載。ヘッドホンでも高品位に楽しめます。

    入力端子はRCAのライン入力1系統と、光デジタル入力を装備。ステレオミニのヘッドホン出力と、サブウーファー出力も装備。スピーカー端子はスクリュータイプ。スピーカーの適応インピーダンスは4~16Ω。

    外形寸法は290W×98H×333Dmm、質量は3.5kg。

    同様の機器、XC-HM82の後継機です。

    Pioneer - XC-HM82-S


    機能的にはDSD2.8MHz対応から向上し、アンプ出力も50W+50Wからアップしています。また、USB-DAC機能は相変わらず搭載しませんが、USB-HDDの直接接続に対応したのは注目です。ネットワークプレーヤーなので、接続はNASがメインと思われますが、このUSB-HDDの直接接続は、音質的メリットが高いという見方もあります。実際にソニーが内蔵とUSB接続のHDDからの再生にこだわったデジタルプレーヤーHAP-Z1ESを発売し、しかも極めて音質面での評価が高いことから注目されているようです。

    「e-onkyoダウンローダー」、高品位ヘッドホンアンプの搭載も新ポイントです。

    一方、XC-HM82ではメーカーサイトに載っていた、デジタル用とアナログ用の2種類を搭載し、アナログ部は、パワー部とプリ部で電源トランスの巻き線を分離、パワー部・プリ部には専用の大容量トランス電源を採用、Direct Power FETの採用、オペアンプについての記述がXC-HM86(S)では無くなっています。FLAT/GAME/CLASSIC/POPS/VOCAL/JAZZのプリセットイコライザーも無くなっています。もっとも、バストレのトーンコントロールは搭載しています。なお、DACはXC-HM82ではAK4480でした。

    さらに、入力端子もアナログが2+1(フロントミニプラグ)→1に減りました。電源コードも直出しで交換不可に。リモコンも簡略化。

    こう見ると、XC-HM86(S)にはコストダウンの気配が感じられなくもありません。XC-HM82の重量は4.8 kgでしたので、内部の物量的には減少したのは確かなようです。

    ただ、軽量でも音質向上の可能性のあるD級アンプですし、世代ごとにどんどん良くなっている分野です。とくに、パイオニアはAVアンプでのD級アンプの実績と開発力があるだけに、軽くなったから前より悪いとは限りません。

    とはいえ、発売当初の実売価格はXC-HM82の約4万円よりかなり高め。少し落ち着くのを待つか、XC-HM82を安いうちに買ってしまうかは迷うところではないでしょうか。

    なお、本機との組み合わせ推奨のスピーカー・「S-HM86-LR」も同時発売。

    S-HM86-LR(B)


    実売3.5万円程度です。25mmドームトゥイーターとグラスファイバー製の130mmウーファーユニットを搭載した小型の2ウェイバスレフ型。上質なフィルムコンデンサーを採用したスピーカーネットワークを搭載し、XC-HM86(S)に最適なチューニングを施し、よりクリアな再生を実現するとしています。

    再生周波数帯域(-20dB)は45~40kHz、出力音圧レベルは82dB/W、インピーダンスは4Ω。外形寸法は165W×280H×259Dmm(1台)、質量は4.4kg。

    ミニコンシステム的には、いかにものスピーカーです。XC-HM86(S)のスペック的にはもっと大きいスピーカーも十分ならせると思いますので、スピーカーには凝りたいところです。

    このページのトップヘ