DAC

    TEAC_505-series
    ドイツで開かれているIFA2017において、テイアックはコンパクトなPCオーディオ対応単品コンポの新シリーズ・「Reference505」シリーズを参考出展しました。日本では秋頃の正式発表、年内の発売を目指すとしています。

    シリーズは3機種。「NT-505」はネットワークオーディオプレーヤー、「UD-505」はUSB-DAC搭載ヘッドホンアンプと。そして、外部クロックジェネレーター「CG-10M」です。

    NT-505とUD-505は、ともにDACにAKMの最上位DAC「AK4497」を2基ずつ搭載するなど共通部分が多いです。デュアルモノラルコンストラクションなどの基本構成はこれまでの503シリーズを踏襲しているのも特徴。ただ、503シリーズよりも音質が飛躍的に向上したと謳っているのは期待できます。対応音声フォーマットはDSDが22.5MHz、PCMが768kHz/32bitまで。

    NT-505とUD-505は、どちらもBluetoothに対応。aptX HDやLDACといった高音質コーデックにも対応しています。

    UD-505のヘッドホン端子は、4.4mmのバランス端子×1と、6.3mm端子×2という構成で話題のバランス接続にも対応する一方、NT-503は3.5mmステレオミニ端子×1のみ。

    NT-505はネットワークソリューションも一新。これによりOpenHome対応となったほか、Spotify ConnectやRoon Ready対応、MQA対応、TIDALやQobuzへの対応などが可能となったとしています。

    価格はいずれも10万円台に収まって欲しいところですが、どうでしょうか。

    NT-505にもバランスヘッドホン端子がついていて欲しいですが、そうもいかないのでしょうね。

    YudiosYD-19232K
    Yudios(ユディオス)は、光/同軸デジタル入力搭載のDAC「YD-19232K」を7月7日から発売しています。直販価格は27,000円(税込)。

    ESS製のDACチップ「ES9018K2M」を搭載。外形寸法は115×117×51mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約450gのコンパクト設計。前面には有機ELディスプレイを装備し、各種入力情報が一目でわかります。電源はACアダプター方式。

    デジタル入力は最高192kHz/24bitまでのPCMデジタル音声入力に対応。DSDには対応しません。

    出力端子は固定アナログ音声(RCA)とヘッドホン(ステレオ標準)。ヘッドホン出力は120mW×2ch(32Ω)/60mW×2ch(64Ω)。対応インピーダンスは16~160Ω。

    Yudiosは知る人ぞ知るラステームの後継ブランド・アムレック(Amulech)のそのまた派生?ブランド。どうしてブランドを分けるのか、ただでさえ広い知名度がないだけに疑問ですが、すでにアムレック製品は耳のよいユーザーと一部の専門誌から(以前のように)高い評価を受けています。

    本機はUSB入力を持たない旧来型の単体DAC。どうもこうした製品の要望もあるようで、PCを介在したくないユーザーがいるようです。CDやDVDからのデジタル出力を受けてのDACとして使いたいということでしょうか。


    _SL1500_
    クリエイティブメディアは、96kHz/24bitハイレゾ再生に対応した安価で小型のUSBオーディオデバイス「Sound Blaster Play! 3」を4月中旬より発売しました。直販価格は2,180円。

    パソコンと接続して、最高96kHz/24bitのハイレゾ再生が行なえる同社USBオーディオデバイスの最エントリーモデル。外形寸法は138×22×9.4mm、重量は約13gと小型軽量なのも特徴。

    ヘッドホン出力やマイク入力も備えており、ヘッドホンだけでなくヘッドセットも接続できます。24bit/48kHzでのマイク入力も可能。ヘッドホン出力は32~300Ωまで対応するハイインピーダンス対応も価格を考えると驚きです。SBX Pro Studioにより、音楽や映画鑑賞、ゲームなど用途に合わせた音質設定も可能。バーチャルサラウンドなどの設定も行なえます。これもこんな安価なのにお得な内容です。

    対応OSは、Windows Vista/7/8/10とMac OS 10.9以降。

    Sound Blaster Play! 2の後継機。従来は入出力とも16bit/44.1kHzまででしたので、ハイレゾ対応化で大幅にスペックアップ。しかも価格は同じ。大変なハイコスパです。

    24/96に対応したUSB-DACとして最安価クラスでしょう。今やそれこそ3000円クラスで24/96に対応したUSB-DACもいくつもあります。とは言え、それらはよくわからない中国メーカーのガレージ的な製品が中心です。

    本機はそれらとは一線を画した世界的PC周辺機器メーカー製。中国企業ではありますが、いわゆる中華DACメーカーと比較にならないユーザー対応、アフターサービスの良さがメリット。この価格で専用ソフトの恩恵があるのもクリエイティブという全体の大きさがあるがゆえ。

    ただ、気になるのは4月18日現在1件だけアマゾン上にあるユーザーレビュー。Win10での使用でどうしてもノイズが出てしまうというのがありました。個人の環境によるものなのか、気になります。私もクリエイティブのもう少し上のUSBオーディオデバイスを持っていますが、それでは全くノイズはないのですが…。

    Accuphase_DC-901
    過去に発売されていたオーディオ製品を紹介。Accuphase DC-901 アキュフェーズの単体DAC。価格は110万円。発売2011年

    同価格のSACD/CDトランスポートDP-900とペアになるDACでした。

    MDSD方式のDSD信号変換に対応するのが特徴。MDSD方式では、高速FPGAを使ったデジタル演算部で遅延させた複数のDSD信号を、並列駆動のDACで変換。それぞれのデータを変換後に総加算して「移動平均フィルター」回路を構成し、DSD信号をD/A変換するというもの。

    MDSD方式はアキュフェーズ独自でありお馴染みの「MDS方式D/Aコンバーター」により、変換誤差を極小化すると同時に、「完全直線位相特性」の優れたハイカット・フィルター機能を両立させているのも特長。DSD信号の可聴帯域外の量子化ノイズを除去するほか、可聴帯域内の信号の変換誤差も打ち消すことができます。

    PCM入力信号は遅延回路をバイパスして、MDS方式D/Aコンバーターで変換されます。

    DC-901ではD/Aコンバーターの電流出力信号を電圧出力に変換する「I-V」変換回路をディスクリートで構成し、動作を改良した新回路方式を取っていました。安定性が向上し、より高い性能を発揮できるとのこと。また、DAC出力の高周波領域のノイズ除去用に「Direct Balanced Filter」回路を搭載しているのも特徴。

    同軸デジタル×3、AES/EBU×1、HS-LINK×1、光デジタル×2、USB B×1の計8系統のデジタル入力を装備。出力はXLR(バランス)、アンバランス、同軸デジタル、光デジタルを各1系統。また、『EXTERNAL DSP』入・出力端 子を装備 、デジタルイコライザーDG-48を接続して、デジタルでの音場補正が可能になります。

    -80dBまで絞り込める1dBステップのレベル調整が可能なデジタルボリュームも従来通り搭載しています。

    さて、2016年に後継機・DC-950が120万円で発売。MDSD方式のDSD信号変換に対応するのは同じ。

    DACチップがESSのハイパーストリーム DAC・ES9018を各チャンネル8回路、合計16回路を並列駆動させているのから、DACチップに同じESS社製ES9038PROを採用し、8回路並列駆動にしています。MDS方式もMDS++方式に進化しています。

    USBデジタル入力が大幅強化。DC-901はUSB接続時には24bit/192kHzまでのPCMにしか対応しないのに対してDC-950では384kHz/32bit PCM、11.2MHz DSDの再生対応しています。

    HS-LINKはVer.2にアップグレード。データとクロックを独立させて伝送することで、より高品位の再生が図られています。ディスプレイは視認性を高めるために大型の7セグメント表示に変更されています。

    本機DC-901はPCM系のDACとしては現在でも優秀でしょうしSACDのDACとしてもおそらく十分優秀です。しかし、USBでのDSDに対応していないのが痛い。DP-900がDSDディスクに対応していないのもあって、このセパレートペアではDSDは聴けません。

    むしろそこが気にならなければ急いで新型に替えることはないかもしれません。ただ、HS-LINK・Ver.2が気になるユーザーはいそうです。

    SOtM_sHP-100
    ブライトーンは、同社が取り扱うSOtMのヘッドホンアンプ内蔵USB-DAC/プリアンプ「sHP-100」を発売します。価格は74,000円(税抜)。

    外形寸法は106W×53H×175Dmm、質量は1kgとコンパクト。この筐体は、同ブランドのRoonReady対応ネットワークトランスポート「sMS-200」と同じで、組み合わせての使用を想定しています。

    最大192kHz/24bitのPCMおよび最大5.6MHzまでのDSDに対応。ASIOネイティブ再生もサポート。

    DACチップには、シーラス・ロジックの「CS4398」を採用。入力端子は、フロントに3.5mmステレオミニ、リアにUSB、同軸デジタル、光デジタルを装備。単体DACとして使えるだけでなく、内蔵のライン可変ボリュームによって、プリ安納としても使えます。しかもアナログ入力にも対応。ラインアウトプットセレクターをユニット底面に装備していて、ライン出力は固定と可変を選択できます。

    ヘッドホンアンプ部は、TI製「LME49720」オペアンプと「TPA6120A2」ステレオ・ヘッドホンアンプで構成。ヘッドホンのインピーダンスに合わせて、ハイインピーダンスかローインピーダンスを切り替え可能。

    デジタル及びアナログサーキットにULNR(Ultra Low Noise Regulator)を採用。クロックサーキットに低ジッター発振器とアクティブノイズキャンセラーを使用することで、低ノイズ化を実現したとしています。

    電源はUSBバスパワー。同社「mBPS-d2s」のようなバッテリーパワーサプライを利用すると音質が向上するとしています。

    総じて、魅力的なDAC/プリアンプ/ヘッドホンアンプだとは思いますが、現在の市場ではいまひとつ、訴求できるポイントが弱いかもしれません。プリアンプ機能は便利で、アクティブスピーカーに直結するのに役立ちます。

    この価格ではこれくらいの装備は当たり前になりつつあります。国内では4.4mmバランスヘッドホン端子を装備するDAC/ヘッドホンアンプが今後予想されることも気になります。4.4mmバランスヘッドホン端子はグラウンド分離の点だけでも意味があるので、本格的なバランス回路を組むのは無理なこの程度の価格帯のDACでも今後は装備されるでしょう。

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