LUXMAN_D-05u
ラックスマンはUSB-DAC内蔵SACDプレーヤー「D-05u」を7月下旬より発売します。価格は350,000円(税抜)。対応ディスクはステレオSACDとCD。

2009年に発売されたSACDプレーヤー「D-05」の後継モデル。上級機の「D-08u」、「D-06u」と同様にUSB-DACを内蔵。USB入力はPCM 192kHz/32bit、DSD 5.6MHzに対応。

ドライブメカには高剛性を実現したオリジナルドライブ「LxDTM」(Luxman original Disc Transport Mechanism)を引き続き搭載。ラックスマン独自の高剛性ディスクドライブ・メカニズム「LxDTM」は、トラバースを格納するベース筐体全体を金属製ブロックで剛体化した強固な構造のドライブ・メカ ニズムで、メカニズム全体を強固なシャーシで囲うボックス構造をとることで、外来振動も遮断。デジタル信号の高精度な読み取りを実現したというもの。
また、物量を投入したアナログ回路のための容積の確保や信号経路の最適化、振動対策や重量バランスを検討した結果、一般的なセンターメカ構造を避け、アシンメトリー(非対称)構成のレフトサイド・メカ・レイアウトを採用。

DACはD-05のバーブラウンTI製DAコンバーター「PCM1792A」から同社初採用となるTI製32bi DAC「PCM1795」に変更。デュアル構成(モノラルモード)で採用。DACを2チップ搭載したフルバランス構成の出力アンプ回路を搭載。発振周波数付近のノイズを低減する高精度・低ジッターの低位相雑音クロックモジュールを搭載。

USB入力は、最大192kHz/32bitのPCMと、5.6/2.8MHz DSDに対応(ASIO/DoP)。同軸/光デジタル入力については、最大192kHz/24bitのPCM信号に対応。同軸/デジタル出力も1系統ずつ。D-05も同軸1系統、光1系統のデジタル入力も備え、外部DACとしても使用できましたが、USB-DACは搭載していませんでした。

PCM用に2種類のデジタル・フィルターを、DSD用に2種類のアナログFIRフィルターを搭載。それぞれ音質を切り替えて楽しむことができます。各入力の低ジッター化にも配慮。USBはアシンクロナス伝送、CDと同軸/光デジタルは内蔵する高精度クロック、SACDは専用のジッターリダクションチップによりそれぞれジッター対策を行っています。

アナログ回路については、モノラルモードで動作させたD/Aコンバーターの差動出力を、完全バランス構成(同一構成のアンプ×4基)の高音質バッファー回路へ入力することで、次段アンプをローインピーダンスでドライブ。電源部は、大型電源トランス、各回路独立レギュレーターや大容量ブロックコンデンサーによる高慣性(ハイイナーシャ)環境を構築。音質に影響する、サーボをかけ過ぎない極めて安定した高慣性電源を実現。

筐体には、シャーシ電流によるアースインピーダンスの上昇や発生磁界の影響を隔絶するループレスシャーシと、デジタルノイズを遮断するシールドシャーシによる複合構造を採用。信号の流れや重量バランスを検討した結果、センターメカ構造を避けアシンメトリー(左右非対称)のパーツレイアウトを採用。

RCA端子は大型プラグのケーブルにも対応する18mmピッチの金メッキ仕上げ、XLR端子にはノイトリック社製高級端子を採用。筐体仕上げはブラスターホワイトで、表示用FLディスプレイを本体右正面に備えます。

USBオーディオ再生用として、Windows/Mac対応のプレーヤーソフト「LUXMAN Audio Player」を付属。FLAC/ALAC/WAV/AIFFなどのPCMファイル、DSF/DSDIFFのDSDファイルを再生することができます。

Windows用ドライバーは同社サイトよりダウンロードでき、マックはドライバーなしでDoP再生が可能となっています。

D-05との大きな違いはやはりUSB-DACの有無。また、TI製DAコンバーター「PCM1792A」から同社初採用となるTI製32bit DAC「PCM1795」に変更したことでしょうか。PCM1795は最近はポータブルも含めた数万円クラスの安価なDACにも搭載されている一方、PCM1792Aは依然として据え置き機のある程度のクラスにしか使われていません。こうしたことから、DACのランクが下がったように思う人もネット上にはいるようです。ただ、PCM1795はDENONの60万円クラスのSACDプレーヤーでも使われていますし、音質的評価も高いので、問題にするほどのことではないのかもしれません。USB入力で最大192kHz/32bitのPCMに対応するためにPCM1795にした、という事情だと思います。そんなソースは一般的でないので、PCM1792Aで対応可能な、最大192kHz/24bitのPCM信号に対応で良かったかもしれませんが。

また、上位とは異なり、ハイビット拡張技術や、SACDのPCM変換再生機能はありません。上位機では、CD再生の場合はビット・エクステンダー専用LSIにて16ビット信号を24ビットに拡張したうえで伝送。SACD再生 ではDSDモードと、DSD信号(約2.8MHz)を専用LSIで88.2KHz/24bitの PCM信号に変換してDACに送り込むPCMモードが選択できます。さらにCDとSACDでのPCM再生はDAC内部において352.8KHzサンプリン グで変換処理を施しています。こういう機能はDENONなら10万円以下のSACDプレーヤーやDACでも積んでいるので、LUXもこのクラスにも積んで欲しかったと思います。

また、微細な歪み成分だけを検出してネガティブ・フィードバックとする独自のODNF回路、高音質出力バッファー仕様も上位に搭載されています。

このように、LUXMAN D-05uは、機能的には十分豊富ですが、上位との差はしっかりつけられているともいえます。また、PCオーディオ使用を意識するなら、可変アナログ出力やヘッドホン端子もつけても良かったと思います。

●対応音源フォーマット:
 USB:DSD 5.6MHz、リニアPCM 192kHz/32ビット
 同軸/光:リニアPCM 192kHz/24ビット
●接続端子:アナログ音声出力2系統(XLR、RCA)、デジタル音声入力2系統(同軸、光)、デジタル音声出力2系統(同軸、光)、USB-B端子
●消費電力:24W●寸法/質量:W440×H133×D410mm/14.8kg
:LUXMAN:CDプレーヤー:SACDプレーヤー