2015東京インターナショナルオーディオショウにおいて、CHORDブランドは、フラグシップDAコンバーター「DAVE」を発表し、実機デモも行いました。価格は150万円(税抜)で、12月発売予定。

DSD 11.2MHzやPCM 768kHz/32bitに対応した、CHORDの新フラグシップDAC。

製品名のDAVEは「Digital to Analogue Veritas in Extremis」の略で、CHORD が世に送り出したこの究極のDA コンバーターにふさわしい名としてつけたとしています。

コードお得意のDACチップを用いないFPGAシステムには「Spartan-6 Version LX75」を採用。「Hugo」に搭載した「Spartan-6 XC6SLX9」に対し10倍の規模をもつ超高精度なもの。

FPGAに実装される、WTA(Watts Transient Aligned) フィルターデザインは164,000タップに向上。これまでのモデルのタップ数はDAC64が1000、QBD76が18,000、Hugoで26,000タップだったですから、これもまた大変な向上ぶり。

また、17次というノイズシェイパーも新設計。なんと、このセクションだけで歴代のFPGAを埋め尽くしてしまうほどの規模を持っているそうです。

出力段についても、Hugoでは8エレメントだったところ、20素子によるパルスアレイDACおよび独自の2次アナログノイズシェーパーを新たに採用。

USB入力は最大768kHz/32bit PCM、および11.2MHz DSDに対応。ほか入力として、384kHz対応の同軸デジタルを4系統、192kHz対応の光デジタルを2系統、192kHz対応のAESを1系統搭載。

アナログ出力はXLR端子およびRCA端子を各1系統とステレオ標準ヘッドホン端子を搭載。アナログ出力は可変でプリアンプとしても使えます。また、“768kHzデュアルデータモード”に対応する2系統のultra high speed同軸デジタル出力を搭載。CHORD製品との機器間接続専用のデジタル出力として使います。

コードのフラグシップDACというよりも、現在のオーディオ用DACの極限の能力を見せ付けるような強烈な数字が並びます。もちろん、これが音に直結しているからこそ、コードのDACは人気があるわけです。

これだけの高級機ながら、小型でヘッドホン端子もついているのは異例。ヘッドホンマニアは、バランスヘッドホンにも対応して欲しかったかもしれません。

DACプリアンプのひとつの決定版が出たと言えるのかもしれません。