ONKYO_DP-S1
オンキヨーは、ハイレゾ対応DAPの新製品・「rubato(ルバート)」DP-S1を3月中旬に発売すると発表しました。オープン価格で実売45000円程度の予想とのことです。

DSDネイティブ再生と、2.5mmバランスイヤホン端子を備えながら、94W×63H×15Dmm、重さ130gのコンパクトボディであることが特徴です。また、同社上位機のDP-X1Aよりも安価なことも魅力。

本体シャーシは豪勢にアルミニウム削り出し製シャーシ。高剛性かつ高品位です。フルカラーディスプレイは2.4インチ(320×240ドット)で、タッチ操作に対応。内蔵バッテリーは1,630mAh/3.8Vで、再生時間はFLAC24/96で約15時間内蔵ストレージは16GB。2基のmicroSDカードスロットにより、全体で416GBまで拡張できます。

再生対応コーデックはDSD(DSF・DSD-IFF)/FLAC/ALAC/WAV/AIFF/MP3/AAC、加えてMQAはアップデートで対応されるとしています。DSDは5.6MHzまでのネイティブ再生のほか、最高192kHz/32bitのFLAC/WAVなどが再生可能。この価格帯としては十二分と言えるスペックです。

無線LANやBluetoothも搭載。各種ストリーミング再生にも対応。Bluetoothの音声コーデックはSBCのみ。iOS/Android向けに用意された専用コントロールアプリに対応し、スマートフォンから本機の基本操作が行えます。

DAC部にはESS Technology社製のDACチップ「ES9018C2M」を、アンプ部には同じくESSの「9601K」を、それぞれ片chあたり1基、計2基ずつ搭載。フルバランス回路構成とすることにより、セパレーション、S/Nのよいクリアで広がりのある音を実現したとしています。さらにオーディオクロックは44.1kHz/48kHzの2系統を装備。ジッター低減にも配慮しています。

2.5mm 4極端子によるイヤホン、ヘッドホンのバランス駆動にも対応。通常のバランス駆動方式に加え、独自のActive Control GND(ACG)駆動方式も採用。BTLバランスモード/Active Control GNDモード/ラインアウトモードから選択できます。ラインアウトは3.5mmステレオミニヘッドホン出力兼用。

ボリュームは本体側面のノブによって、61ステップで調整可能。

ゲイン設定はLow/Normal/Highの3つを用意。対応インピーダンスはアンバランス:16Ω~300Ω、バランス:32Ω~600Ω。これにより、幅広いイヤホン、ヘッドホンに対応できます。

16bit-24bitの音源を32bitまで量子化軸で拡張し、アナログ信号に近い滑らかさで再生可能という「Hi-Bit」モードも搭載。そのほか、アップサンプリングによってMP3などの圧縮音源もサンプリングレートを192/176.4/96/88.2kHzに変換して再生できます。

7ステップの調整で、ジッターノイズの低減を図れるロックレンジアジャスト機能や、SHARP/SLOW/SHORTの3モードから選べるデジタルフィルターも装備。6個のプリセットイコライザーも用意され。10バンドのマニュアルイコライザーも使用可能です。

なお、パイオニアブランドの「private(プライベート)」XDP-30Rというモデルも同じく3月中旬に発売。実売予想価格は4万円前後。ESS製DACや2.5mmバランス出力など共通部分も多い一方で、音質面のチューニングやユーザーインターフェイスなどに違いがあるとしています。

全体に価格からすると充実の内容に思えます。そりゃあ、いろいろほじくろうと思えばいくらでもできますが、頑張っているということで良いでしょう。

よくある文句としては?やはり、Bluetoothのコーデック。SBCのみ。これはLDACまで搭載するソニーとは対照的。ソニーまでいかなくとも、今時安いDAPでもBluetooth対応する以上はaptXには対応しているのが多いので、不満というか、困惑している人は多いようです。ここをけちるとそんなに安くできるのでしょうか?デザインがAK70みたいで主張に乏しいというのもあります。ここは音に関係なければ優しく見てあげましょう。

オンキヨーの方の記事で何ですが内容的にほとんど同じで、音質も価格差ほど違わないならパイオニアのほうがお得なように思えます。実際にどのように音で差別化しているのかは重大ですね。

オンキヨーブランドながらパイオニアの技術、それも単品コンポで培ってきたHi-bit/Hiサンプリング化技術が乗っているのもお得な印象。

rubato(ルバート)はもちろん、音楽用語から取っています。自由なテンポで、という意味であるとオンキヨーも謳っています。実際の音楽でrubatoと言うと、ショパンのピアノ曲が思い起こされます。だからと言って本機にショパンの、ルバートの効いた(ルービンシュタインの影響からなのか、20世紀後半以降のショパン演奏においては、あまりルバートを強調しないのが普通です)演奏が合うというわけでもないでしょうけど。

ルバートの効いたショパンというと、コルトーですか…。それではハイレゾの意味がありませんね…。