ラディウスは、イヤホンシリーズ“W(ドブルベ)”に、ハイレゾ対応の「ヌメロキャトル(HP-TWF41)」予想実売価格42,000円前後「ヌメロトロワ(HP-TWF31)」予想実売価格32,000円前後の2機種を新発売すると発表しました。11月下旬に発売。

ドブルベシリーズは、2009年に第一弾モデル「HP-TWF11R」が登場。2011年には第二弾「W n°2」(ドブルベ ヌメロドゥ)が発売。シリーズの機種は同社独自の「DDM方式ドライバー」を搭載しているのが大きな特徴です。DDM方式は中低音域と高音域2つの音を独立したダイナミック型振動板に振り分けて同軸上に配列させる仕組み。ドライバー1つ分のスペースでデュアルドライバーを超える音響効果を得られるとしています。

約5年ぶりに登場するドブルベシリーズの新製品がこの「ヌメロキャトル」「ヌメロトロワ」の2製品。

2モデルとも、既存のドブルベでもおなじみの「DDM方式ドライバー」をもちろん搭載。さらに今回は高域用に新開発の12mmセラミックピエゾ振動板を採用し、大きく音質向上させたとしています。2機種とも、低域用に13mmのダイナミック振動板、高域用に新開発の12mmセラミックピエゾ振動板を採用することで、40kHzを超える周波数帯をカバーする“ハイレゾ仕様”も確保。旧度ドブルベシリーズが20kHzどまりだったことからすると大きな進化ポイントでしょう。

そのほか、「ディープマウントイヤーピース」や「アジャスタブルサポート」も搭載。付属ケーブルは長さ約120cmでリケーブルに対応し、コネクターにはシリーズではじめてMMCX端子を採用。プラグ部は金メッキ製の3.5mmステレオミニ端子。

2モデルの大きな違いはウーファーのダイナミック振動板。ヌメロキャトルはベリリウムコーティングを施したものを採用し、ヌメロトロワはPET振動板を搭載しています。

どちらも、イヤホンとして高価すぎない価格でもあり、内容次第では人気モデルになるかもしれません。とくに、下下位機種の「ヌメロトロワ」のほうが、スペック、内容、機能性から見て、よりコストパフォーマンスが高いように見えます。

ドブルベシリーズはイヤホンブームが過熱する前から、確固たる地位を築いた名イヤホンでしたが、多くの新製品やBAユニットやハイブリッドイヤホンが出てくるなか、また、高価格化も進んだなかで、モデルチェンジや新機種の追加もなかったことから、影が薄くなっていた感は否めませんでした。このままラディウスのイヤホンは終息するのかと思いきや、ドブルベシリーズではありませんが、HP-NHR21/11というハイレゾ対応モデルで出してきたので、もしかして、という印象はありました。そこで今回、ハイレゾ対応とリケーブル対応という現在必須のスペックに対応しながら、DMM方式ドライバーにもこだわった新型を出してくれました。

これら2機種は10月24日から2日間に渡ってオーディオショップ・フジヤエービック主催の恒例のオーディオ・イベント「秋のヘッドフォン祭2015」において、展示・デモされました。久しぶりの登場に驚いたユーザーもいたようでしたが、おおむね音の方は好評だったようです。市場での反応も楽しみな機種です。