COWON_PLENUE_M2
韓国のCOWONは、ハイレゾ対応DAP「PLENUE M2(PM2-128G-SL)」を8月中旬より発売します。直販価格は84,780円(税込)。

PLENUE Mの後継機。PLENUE Mの基本設計と機能を継承しつつ、高音質化を図ったという新機種。

外形寸法は117.3×69.0×13.4mm(縦×横×厚さ)、重量は188gと、PLENUE M(W64.5×H114.3×D13.4mm、170g)より少しだけ大きく、重くなっていますが、まだ十分コンパクトです。

3.7型、480×800ドットのAMOLEDディスプレイを搭載。本体は、前面を除く全ての面に高強度アルミニウムを加工し、デザイン性を高めたFull Metal Unibody構造。美しさと音質的有利性を兼ね備えています。

CPUはCortex A9 1.2GHzデュアルコア。内蔵ストレージ容量は従来の64GBから、128GBへ増加。最大128GBのmicroSDXCカードも利用できます。

DACはPLENUE Mと同じくバーブラウンの32bit/DSDネイティブ対応の定番チップ「PCM1795」。TCXO(温度補償水晶発振器)も搭載。

再生対応フォーマットは、DXD/FLAC/WAV/AIFF/ALAC(Apple Lossless)/APE/MP3/WMA/OGGなど多彩。 DSD は5.6MHzまでの再生も可能ですが、PCM 176.4kHz/24bitへの変換再生。PCMデータは192kHz/24bitまでそのまま再生可能。また、384kHzまでのDXDやFLAC/WAVの再生も可能ですが、ダウンサンプリング再生となります。PCと接続して、USB-DACとして使うことも可能。

ステレオミニのヘッドホン出力と光デジタル出力を装備。DDCとしても使うことができます。ヘッドホンのボリュームは140段階でコントロールが可能。ヘッドホンの出力インピーダンスがPLENUE Mの3Ωから1Ωへと下がっているなど、ヘッドホンアンプ部にも手が加えられました。

音質調整用に、JetEffet 7とBBE+を搭載。10バンドのイコライザーや、BBE+、Reverb、Chorusなどを調節できるユーザープリセットと50種類のレファレンスプリセットを用意するなど、音質重視のDAPとしてはかなり音質をいじれます。BBEを搭載するのは今では珍しいですね。昔はよくアイワのコンポ、ヘッドホンステレオについていました。

バッテリー容量は3000mAhで、再生時間が約9時間(MP3)/8.5時間(24bit/96kHz/FLAC)。

バッテリー再生時間が長いのもCOWONの特徴でしたが、音質重視のためか、若干短くなりました。それでもまだ十分な長さでしょう。

全体に、最新のこの価格帯の海外メーカー製DAPとしては、やはり、バランスヘッドホン端子がないのが残念なポイント。しかし、それ以外にはあまり弱点はなく、DSDもネイティブなど、十分な内容です。

同じ韓国のirriverに押されているようですが、COWONもDAPでは実績のあるメーカーです。小型のロングバッテリー機や、グライコの充実など、なぜか現在のDAP界では軽視される要素にしっかり取り組みながら、高音質機を適切な価格で継続的に出し続けている印象はあるので、決して過去のメーカーのイメージはありません。

今後はバランスヘッドホン端子を装備したミドルクラス機(5-10万円程度)をきっと出してくれるのではないでしょうか?

もちろん、本機もバランスヘッドホン端子に興味がなく、COWONのコンセプトと音質が好きな人には買いでしょう。ネット上では本機の音質に対する評価はとても高いように見受けられます。はやりの機能に惑わされず、本質的な良さがわかる人に向けた製品と言えそうです。