デノンは、11月4日からプリメインアンプ「PMA-390RE」と、CDプレーヤー「DCD-755RE」を価格改定すると発表しました。。いずれも48,000円でしたが4,000円値上げの52,000円となります。

値上げの理由については、「近年の製品に使用される原材料の調達価格の高騰、為替変動」を挙げており、「自助努力だけではコスト増を吸収できない状況となった」と説明。

いずれもデノンのエントリークラスというよりも、国内オーディオメーカーによる単品オーディオコンポのエントリークラスを代表する製品。

「PMA-390RE」はプリメインアンプで、定格出力は50W×2ch(8Ω)。DCD-755REは、32bit DACを内蔵したCDプレーヤーで、「AL32 Processing」などを搭載。

この2機種はもう20年ほど前に初代が発売され、何代にも亘ってモデルチェンジされてきた、有名ロングセラーシリーズ。持って無くても知らないというオーディオ愛好家の人はいないのではないでしょうか?

どちらも、一般ユーザーにもオーディオ愛好家にも十分アピールできる高い実力を持った機種です。たしかにモデルチェンジのたびじりじりと価格は上昇していましたが、同じ製品の販売のまま値上げするのは初めてです。

何がデノン、いや、オーディオ界に起こっているのでしょうか?

デノンは「ハイレゾ音源の登場等、オーディオ市場の活性化の兆しが見える中、オーディオの入門製品としてお客様の期待にお応えすべく、製品の安定供給に努めていく」ともしています。ここにヒントがあるのかも。

デノンは最近、PMA-50を初めとするDAC内蔵型の小型デジタルアンプもラインナップ。そのパフォーマンスは高く評価され、その反面、近い価格に属する、この2機種の影が薄くなった感がありました。

そう考えると、オーディオが売れないからということではなく、新しい時代への過渡期の現象ならまだいいと思えそうです。従来のスタイルの単品コンポだけではユーザーは納得しなくなっているのかもしれません。

デノンやオーディオ業界全体の今後の努力を期待したいところです。