スタックスは、同社史上初となる、DAC搭載のポータブルタイプ「SRM-D10」を6月中旬に発売します。価格は9万円。

スタックスですからもちろん、静電型ヘッドホンをドライブするアンプです。逆に一般的なステレオミニ接続などのダイナミック型ヘッドホンは駆動できません。

リチウムイオンバッテリを搭載し、アウトドアでも静電型ヘッドホンがドライブできるのが売りです。スタックスにはこれまでも専用アンプ一体型のインナーイヤー型機は出していましたが、そのアンプではスタックスの本格的なオーバーイヤー機に装備されている5Pin PROバイアス用コンセント出力に対応していませんでした。

つまり、本機こそ、同社初の5Pin PROバイアス用コンセント出力対応のポタアンです。高級機のSR-009まで駆動できると謳う自信作。

なお、5Pin PROバイアス用コンセント出力対応のコンデンサー型ヘッドホン用のポタアンは香港・King Soundから「M-03」という機種が出ています(64,800円)。ですから世界初というわけではありません。それだけスタックスの規格が世界標準になっていることの証ですが。

本機では「M-03」にはないDAC機能も装備。USB入力はPC/Android/iOSに対応し、PCM 384kHz/24bit、DSD 5.6MHzまでのハイレゾフォーマットに対応。アナログ入力ももちろん装備。バッテリー駆動時間は、アナログ入力時で約4.5時間、デジタル入力で約3.5時間。

アルミケースを採用したボディも高品位です。

周波数特性は20Hz~40kHz/+0,-3dBでハイレゾ対応認証も取得。充電用に、ワイドレンジスイッチング電源アダプターを同梱。

PCだけでなく、スマホともデジタル接続できるので、コンパクトに持ち出せます。さすがにイヤースピーカーはどれもそれなりの大きさですが。

同社のイヤースピーカーはどれも開放型で、盛大に音漏れするだけに、実際、持ち出せたとしてどのような状況で聴けるのかは気になります。

スタックス初のDACという面ではポータブル使用でなくとも、DACも含めてスタックスの音作りでシステムを完結させたい用途にも使えます。それなら据え置きのDACヘッドホンアンプを出せばよいという話にもなりますが。

スタックス愛好家がどのように使うのかが楽しみです。